「女性・女系天皇見送り 現在の皇位継承順位維持」(2021/06/17)という共同通信の記事を読んだ。
安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)は16日の第7回会合で、皇位継承資格を男系男子に限定する皇室典範の規定を尊重し、現在の皇位継承順位を維持する方針を確認した。これに伴い、女性・女系への資格拡大は見送る。皇族数確保のため、女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」の創設と、旧宮家(旧皇族)の男系男子子孫による皇籍取得の是非の2案を軸に今後の議論を進める。
継承順位の維持は、清家氏が会合後に記者団に明らかにした。現順位を見直せば皇室制度が動揺しかねないため、混乱を回避すべきだと判断した。
「女性・女系への資格拡大は見送る」とのことで、まことに喜ばしい。とりあえず安堵した。有識者会議には、おかしな世論やそれに便乗した野党の主張に惑わされず、歴史的に重みのある「男系男子の皇位継承」を守り抜いてほしい。
秋篠宮殿下は昨年11月に立皇嗣の礼を終えられ、皇位継承順位1位の皇嗣になられた。今上天皇の後をお継ぎになるのは秋篠宮殿下と決まったのだ。そして秋篠宮殿下の次代は、悠仁親王殿下ということになるだろう。
このように皇位継承順位が確定しているにもかかわらず、「愛子天皇」の実現を求めるのは不謹慎極まりない。秋篠宮殿下を皇嗣の地位から引きずり下ろそうとするもので、断じて容認できない。
そもそも皇位継承に男女平等の世俗的観念を持ち込むこと自体、論外だ。男女平等であるべきだというのは近現代に特有の人権尊重理念に由来するが、人権尊重などと言い出したらそもそも天皇は存在できない。
天皇は一般の日本人とは異なり、最初から自由や人権を制約された存在だ。移動の自由もなければ、職業選択の自由もなく、言論の自由もない。学問の自由すらあるのか疑わしい。おそらく信教の自由もないだろう。そういう制約された存在でありながら、日本国憲法で「国民統合の象徴」と定められている。
万世一系とまで言えるかはさておき、皇位継承が長きにわたって男系男子で続いてきた事実は動かせない。この伝統を断ち切る権利は誰にもない。「男系男子に限るなんて古くさい」と言う人がいるが、古いから駄目だと言うのは、古い時代から存続してきた天皇と皇室の制度をなくせと言っているに等しい。
【追記】
産経ニュースにも関連記事が出ていた。
「男系男子」の尊重前提 皇位継承有識者会議 皇族数確保へ検討(2021/6/16 23:10)
政府は16日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)の第7回会合を首相官邸で開いた。現在の皇位継承順位を前提とし、男系男子を尊重した上で皇族数の増加を検討する方針を確認した。次回は今月30日に開く。
皇室典範では皇位継承資格を父方に天皇の血筋を引く男系男子に限定。現在の継承順位は秋篠宮さま、秋篠宮さまの長男悠仁さま、上皇さまの弟常陸宮さまの順となっている。
清家氏は会議終了後、記者団に今後の議論について「現在の皇位継承の流れを前提にして、皇族数の確保のための方策を検討していく」と述べた。専門家ら21人に行った21人ヒアリングに関しては「現在定められている皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないと考えている方がほとんどだった」と振り返った。
16日の会合では、女性天皇と女系への皇位継承資格の拡大について世論に誤解があるとして、正しい理解が必要だとの意見も出た。旧宮家の皇籍復帰などの方向性を示す可能性も出てきた。政府高官は「論点整理するだけでは資料提供みたいだ。方向性を出さないと受け取る側もやりようがない」と語った。