吊りしのぶ

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赤木ファイル公開で「忖度」なかったことが明らかに~「現場として厚遇した事実もないし」

最近のNHKの国内政治報道は、ほとんど野党応援団と言いたくなるほどで、およそ公共放送とは言いがたい。政権や保守派を利するような内容は、意図的に報道しないようにしているとしか思えない。

あいちトリエンナーレの「表現の不自由展」の時もそうだった。NHKが触れたのは慰安婦像のことばかり。昭和天皇の肖像写真を燃やした映像作品については全く言及しなかった。

昭和天皇の肖像写真を焼いた映像作品を、公的資金が入った展覧会で公開することが適切だと私は思わない。

焼いた対象が故宮本顕治氏や故土井たか子氏の肖像だったとしても、日本共産党社民党はノープロブレムと言っただろうか。こんなものに税金を使うのは許されないと猛反発したのではないか。

いや、焼いたのがイランの故ホメイニ師の肖像だったら、あるいはアメリカの故キング牧師の肖像だったら……。間違いなく国際的大問題になるだろうから、さすがに芸術と称してそんな作品を作る日本人はいない。

結局、作者たちは、自国へのヘイトなら、国内問題だから「表現の自由」で押し通せると甘く考えているのだろう。実際、この展覧会を東京でも開く計画があるらしい。おぞましいことだ。

それはともかく、「表現の不自由展」に関しては、少なくとも展覧会の内容を報じるときは、そういう作品(昭和天皇の肖像写真を燃やした映像作品)があった事実にきちんと触れ、それも含めて抗議が殺到していることを伝えるのは、メディアとして当然の責務だろう。

なのにNHKはそれをしなかった。慰安婦像ぐらいはまあいいかと思う人でも、さすがにこの作品のことを知ったら頭に血が上るのではないか。

そして今回の赤木ファイルである。

6月24日付産経・阿比留氏のコラムを読んだが、ファイルには「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」(原文=現場として厚遇した事実もないし」)とはっきり書いてあるそうだ。ところが、「ニュースウォッチ9」は、赤木氏が書き残したこの重要な記述を完全に無視した。

文書改ざん前に森友学園に便宜を図ったことはないと赤木氏は明言しているのだ。これだけでもう安倍首相(当時)への忖度がなかったことは明白だろう。便宜を図っていないのだから、安倍首相に忖度する必然性がないのだ。

「ソンタク、ソンタク」と騒いでいたのは野党だけでなくNHKも同じであり、ソンタクがなかったことが立証されると彼らも困るのだろう。

NHK立憲民主党階猛(しな・たけし)議員の「これだけの改ざんを佐川局長が個人の判断でやるなんてありえない。バックに政治家の存在があったと推認できる」という意味の、何の根拠もない妄想的発言をそのまま垂れ流していた。

政府や与党に対しては何を言っても許されるという野党議員の思い上がった態度には本当に辟易するが、その片棒を担いで全国ニュースで流してしまうNHKも、野党の宣伝機関に成り下がったと言われても仕方がない。

コラムを読んでよく分かった。

赤木氏を自殺に追い込んだのは、直接的には財務省佐川局長の書き換え指示だが、そうさせた原因、つまり赤木氏自殺の間接的な責任は、佐川氏を含む財務官僚たちの業務処理能力を大幅に上回る、大量かつ集中的な質問を浴びせ続けた野党側にある。容疑者を眠らせないで追及し続け、自白を強要するやり方とどこが違うのだろう。

安保法制が問題になったとき、野党は「公務員である自衛官の命を危険にさらすのか」とさも公務員の味方であるかのような口ぶりだったが、局面が変われば、同じ公務員に残業に次ぐ残業を強い、過労死してもいいから早く仕事をやれと言わんばかりだ。

「良心の呵責というものがないんですか?」と言いたい。

なおこの件については、26日付け高橋洋一チャンネルでも分かりやすい解説があった。この動画を見ても、政治家や安倍首相(もしくは昭恵夫人)への「忖度」など全く関係ないことがわかる。

www.youtube.com

www.sankei.com

学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)をめぐって、自殺した近畿財務局元職員の赤木俊夫氏が改竄の経緯をまとめて職場に残していた文書が22日、国から遺族に開示された。そこから浮かび上がってきたことは何だろうか。

まず押さえておきたいのは、赤木氏がこう明確に記していることである。 

「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」

国会やマスコミはこの点に関して、延々と売却に際して森友学園側への配慮や当時の安倍晋三政権への忖度(そんたく)があったと追及してきたが、赤木氏自身がそれを否定している。この言葉からは併せて、赤木氏が国有地の売却価格の減額自体に、特に問題はないと考えていたこともうかがえる。

この問題では昨年10月、赤木氏の元上司の音声データも公表されたが、元上司も証言していた。

「安倍さんとかから声がかかっていたら正直、売るのはやめている」「忖度みたいなのがあるみたいなことで(記載内容を)消すのであれば絶対消さない。あの人らに言われて減額するようなことは一切ない」

そして元上司は、改竄にまで追い詰められた理由をこう赤裸々に明かした。

「少しでも野党から突っ込まれるようなことを消したいということでやりました」「少しでも作業量を減らすためにやった」

むしろ、野党の国会での追及や資料請求、ヒアリング要請の洪水を避けるためだったと示唆している。野党やマスコミの描いた強引なシナリオは、完全に決壊したといえよう。

また、赤木氏は文書で、財務省理財局側が当時の佐川宣寿(のぶひさ)局長の名前を挙げて改竄を求めてきたことを明らかにしている。理財局職員からの平成29年3月20日付のメールには、こんなことが書かれていた。

「(佐川)局長から、国会答弁を踏まえた上で、作成するよう直接指示があった」

この理財局職員のメールには誰の国会答弁を踏まえるのかは記されていないが、文脈上、佐川氏のことだとみられる。

筆者は30年3月30日付の当欄で、佐川氏(当時は前国税庁長官)がその3日前に衆参両院で行われた証人喚問で、理財局長時代に「(森友学園との)交渉記録は廃棄した」などと、改竄前の文書とは食い違う答弁をしていた件と、それに対する釈明を取り上げた。

佐川氏が「丁寧さを欠いた」「言い訳になるが」と断りつつ、こんな説明をしたことに焦点を当てた。

「連日連夜、朝までという日々で、本当に休むこともできないような、毎日ご質問を受ける中で、(答弁内容確認の)余裕はなかった」

「レクチャーを受ける時間もほとんどなく、原課で作った答弁資料を入れてもらい、順次読み込んでいるという状況だった」

「ほとんど全員の質問者が森友の質問をされるケースもあった。本当に何十問なのか100問を超えるのか分からないが、(答弁準備が)事実上間に合わないケースもあった」

これらは、赤木氏の元上司の音声データ証言とも符合する。真相解明を求める野党の激しい追及が理財局の過重労働を生み、佐川氏のその場しのぎの誤答弁につながり、そのしわ寄せが近畿財務局にいって文書改竄というあってはならない事態を招いた-との構図が見えてくる。

この仮説は3年前の当欄でも示したものだが、今回の文書でさらにその可能性が高まったと考える。(論説委員兼政治部編集委員

臆測でお白州に引き出すのか~阿比留瑠比の極言御免(産経2018年3月27日)

野党は、27日の佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問を「第一歩」(立憲民主党辻元清美国対委員長)と位置づけ、その先に安倍晋三首相の昭恵夫人らの証人喚問実現を見据えている。だが、推測や臆測レベルで政治家の家族を標的とし、「お白州」に引き出すようなやり方は民主主義国家にふさわしいだろうか。

もはや人権侵害

財務省の職員が1人、命を亡くし、空前の文書偽造問題にまで発展をしたこの問題のキーマンが安倍昭恵さんであることは、誰がどう見ても間違いない」

 立憲民主党枝野幸男代表は21日、東京・新宿駅前での演説で強調した。無所属の会江田憲司衆院議員も13日付の自身のツイッターにこう書き込んでいる。

「昭恵さん、貴方も人間でしょ。貴方が(森友学園の)名誉校長になり校地予定地を視察し、講演で『何かお役に立てれば』と言い、感涙しなければ、人ひとり死ななくて済んだんですよ!良心の呵責(かしゃく)というものがないんですか?」

 2人ともまるで昭恵夫人のせいで職員が自死したような言いぐさだが、そんな因果関係は何ら証明されていない。もはや、人権侵害の域に達していないか。(以下略)

佐川氏が丁寧さ欠いた背景~阿比留瑠比の極言御免(産経2018年3月30日)

 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)をめぐり、衆参両院で27日に行われた佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官の証人喚問では特段、目新しい話は出なかった。ただ、佐川氏が理財局長当時に「交渉記録は廃棄した」などと、改竄前文書とは食い違う「丁寧さを欠いた」(佐川氏)答弁をしていた背景は浮かび上がった。

 ●「連日連夜、朝まで」

 佐川氏は事実と異なる答弁をした理由について「お叱りを受けると思うが」「言い訳になるが」と断りつつも、こう説明した。

「当時、局内は私も含めて連日連夜、朝までという日々で、本当に休むこともできないような、月曜日から金曜日まで毎日ご質問を受ける中で、そうした(確認の)余裕はなかった。全く余裕がなかったのが実態で、相当、局内も騒然としていた」(自民党丸川珠代参院議員への答弁)

「局内の騒然とした状況の中で、やはりそれ(確認)を怠ったということだろう」(公明党の横山信一参院議員への答弁)

「レクチャーを受ける時間もほとんどなく、原課で作った答弁資料を入れてもらい、順次読み込んでいるという状況だった」(日本維新の会の浅田均参院議員への答弁)

 また、答弁内容については省内や首相官邸と十分協議していたはずではないかとの問いには、次のように答えた。

「昨年、例えば予算委員会7時間コースだと、ほとんど全員の質問者が森友の質問をされるケースもあった。本当に何十問なのか、100問を超えるのか分からないが、(答弁準備が)事実上間に合わないケースもあった。それぞれ協議をしているという余裕もなかった」(民進党小川敏夫参院議員への答弁)

「何月何日に現場で職員と業者と会ったとか、極めて実務的な話で、そういうものを首相官邸と調整することは通常は考えられない」(共産党小池晃参院議員への答弁)

 そして、立憲民主党逢坂誠二衆院議員が「局内はなぜ混乱していたか」と尋ねると、こう強調した。

「国有財産の部局は個別案件の話も多いし、そんなに毎年国会でたくさん質問をいただく部局ではない。そういう中で毎日月曜から金曜まで毎週何十問も通告され、資料の利用もあり、外部からも情報開示請求をされ、いろいろなチェックをしないといけない。大変だったことは事実だ。これまでにない状況だった」

 何のことはない。野党議員らによる質問攻めや資料請求などへの対応に忙殺されたため理財局内に混乱が生じ、丁寧さを欠く答弁になった-というのである。

「今国会休日は1日」

 もちろん、これは佐川氏自身も認めている通り「言い訳」の類いであり、だからといっていいかげんな国会答弁が許されるわけではない。佐川氏の答弁との矛盾が、文書改竄につながったとしたら責任は重い。

 とはいえ、当時の理財局がそうした状況に置かれていたのは事実だろう。現在の太田充理財局長も28日の参院予算委員会で、次のように語っていた。

「答弁はとにかく朝までかかってということだし、週末もほとんど全部出勤している。今国会が始まってから、休んだのは2月の3連休のうち1日だけだ」

 もし本当に、真相解明を求める野党の追及も手伝ってのこんな過酷な状況が佐川氏の誤答弁を生み、文書改竄という最悪の結果を導いていたとしたら…。国会は、全く笑えぬ喜劇を上演中ということになる。(論説委員兼政治部編集委員