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報ステ・エブリィで「五輪中止!」を訴えた代々木病院は日本共産党の代弁者か

7月16日(金曜)の「報道ステーション」で紹介されていた東京の代々木病院。入り口には東京五輪の中止を求める張り紙が掲示され、とても目立つ。

#五輪中止! 命を最優先に 感染対策優先 ワクチンに集中させて!

番組は、代々木病院・河邉博正院長にもインタビューして、五輪開催は医療現場にとっては迷惑だという趣旨の発言を報じていた。

テレビ情報を文字化しているJCCによると、該当箇所の要旨はこうだ。

jcc.jp

病院の訴え・五輪1週間前・首都圏で感染拡大

異例の五輪開幕まで1週間。

国立競技場を望む東京都渋谷区の病院。

窓ガラス全面に五輪中止を訴える紙が貼られている。

「五輪より感染防止やワクチンを優先してほしい」と訴える。

代々木病院・河邉博正院長が「五輪が開催されるとなると私たちの医療活動に大きな支障をきたすことになる。医療現場の声をしっかり届ける必要があるだろう」などコメント。

このJCCのウェブサイトを見ていて気づいたのだが、この代々木病院と河邉院長、同じ16日の日本テレビのニュース番組「news every.(ニュース・エブリィ)」にも出演していた。

日テレNEWSのyoutubeの公式チャンネルに動画が公開されている。

代々木病院は動画の5分47秒あたりから)

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代々木病院入り口の「五輪中止」を訴える張り紙~日テレから

 JCCがまとめた要旨は以下の通り。

jcc.jp

開幕まで1週間。

メイン会場とは目と鼻の先にある東京・渋谷区・代々木病院には“五輪中止!ワクチンに集中させて」という貼り紙がされていた。

代々木病院・河邊博正院長は「かなりスタッフを動員して今やっている状況。感染をさせないというのを第一義的に考えると五輪をのぞむわけにはいかない」と話した。

そのほか交通規制に伴う患者の移動や病院食の運搬などへの影響や会場周辺での熱中症患者の受け入れなどで地域の患者を守れなくなる危機を感じているといい、「今からでもできるなら五輪を中止していただけたら」と話している。

同じ日に2つのテレビ局が取り上げた代々木病院とは、どんな病院なのだろう? そう思って調べて驚いた。なんと民医連加盟の病院ではないか。同病院のホームページには「民医連」のマークが見える。

民医連とは「全日本民主医療機関連合会」の略称で、日本共産党と関係が深いといわれている。公明党ははっきり「民医連とは日本共産党の主導で結成された団体」と書いている。

www.komei.or.jp

またウィキペディアには、

全日本民医連内、各地方の民医連内には歴史的経緯から年配の職員には日本共産党の党員も少なくなく、加盟医療機関内に同党支部(いわゆる職場支部)や有志後援会が組織されているケースもあり……

全日本民医連会長鈴木篤は、「全日本民医連有志日本共産党後援会」代表世話人を努める

などと書いてある。

ちょっと検索すれば、民医連と共産党との強い結びつきを示す記述がたくさん見つかるのだ。

民医連関係者自身が、「民医連は、『平和と人権』を握ってはなさない医療機関であろうとし、その中心にいるのは日本共産党員」日本共産党愛媛委員会ブログ)と述べているほどで、彼らにとって共産党との濃いつながりは、誇るべきもののようだ。「中心にいるのが日本共産党員」なら、民医連は日本共産党系組織と言って間違いなさそうだ。

その民医連に加盟している代々木病院も、病院発行の広報紙(発行人は河邉博正院長)に「9条を守り消費税増税をストップ」、「9条改憲発議をさせない大きな世論を」といった極めて政治的な主張を堂々と載せている。

代々木病院は「ヒューマニズムに基づく医療・介護の実践」を謳っているけれど、何も知らずに通院・入院した安倍政権を支持する、あるいは改憲に賛成の患者さんは、この広報紙を見てどう思うだろうか。間違いなく不愉快になるだろう。それでもヒューマニズムと言えるのか?

広報紙は一応最近のが全部公開されているが、トップページからはすぐに見つからない。何しろトップページには「院長あいさつ」や「私たちの理念」はあっても、日本共産党への言及はゼロだ。

病院としてこういう政治的立場を打ち出すのであれば、ホームページの一番上に「当病院は日本共産党を支持し、憲法9条の改正に反対しています!」とはっきり書いておいてほしいものだ。そうすれば政治的信条を異にする人は他の病院に行くだろうから嫌な思いをしないで済む。「民医連」のマークだけでは何のことか分からない人も多いと思う。

話を冒頭の番組に戻すと、問題なのは「報道ステーション」や「ニュース・エブリィ」が、こういう政治色濃厚な病院を、何の背景説明も行わずに、もちろん日本共産党との関係にも触れないで、たまたま五輪メイン会場の近くにあった普通の病院が「五輪中止」を叫んでいるかのように装って報道したことだ。

番組が、日本共産党系の病院だと断った上で報じれば、視聴者は「ああ、『五輪中止』と言ってるのは、共産党の主張に沿ったものだな」とわかるし、「この病院は政治色の強い特殊な病院だろう」と気づくから、病院長の話も眉にツバを付けて聞くはずだ。共産党の支持者は別として。

しかし、番組はそういう重要な情報を完全に伏せていた。これでは、コロナ患者を救うため日夜格闘している医療従事者はみんな五輪に反対している、と受け取る人が出てきてもおかしくない。

はっきり言って、一般病院を装って日本共産党政治的主張を垂れ流したにも等しい。

報道ステーション」も「ニュース・エブリィ」も、なぜこの病院の政治的背景を隠したのだろう。視聴者の「知る権利」をないがしろにしているし、私には「五輪中止」世論を盛り上げるための工作をしているとしか思えない。