日本と韓国の新型コロナワクチン接種率。日本は2回接種率が韓国をしばらく前に追い抜き、1回接種率もここ数日で完全に追い抜いた。グラフの上段は日経新聞特設サイト、下段はKBS WORLDのウェブサイトから。
「ワクチン接種が進んでない、遅い」と不満の声が強いが、日本人はせっかちすぎる。昨年前半は政府がワクチン接種を急ぐことに野党は消極的だった。急いでやって安全性に問題があったらどうするんだ、という批判だったと思う。ところが、欧米でワクチン接種が一気に進んでコロナ感染の拡大に急ブレーキがかかるのを見ると、「早くやれ、遅い、ちゃんと交渉してるのか、交渉に失敗した」などと野党は言いたい放題だ。
マスコミも同じような論調だろう。ワイドショーなどは、昨年はPCR検査の大幅拡充ばかり言って専門家会議を批判し、ワクチンのことなど眼中になかった。
日本は元々感染者数が桁違いに少なく、まさに「さざ波」状態で推移してきたから、ワクチン供給側にしてみたら「感染者が少ないのに、なんで優先的に供給しなきゃいけないんだ」と納得がいかないだろう。
それでも日本は何とか日本国民全員が打てる分を確保した。今現在政府の手元に全在庫があるわけではないが、順次入ってきて秋には全在庫が揃うということだろう。政府の努力は大したものではないか。
数は足りているのだから、あとは着実に接種を進めていけばいいだけだ。
コロナ感染の封じ込めに成功し、世界に模範を示したと豪語していた韓国も、日本と同じように感染者数が「さざ波」状態だったため、ワクチン接種はなかなか進んでいない。これは台湾も同じ。
韓国、台湾に遅れを取っていた日本は、ワクチン接種では両国よりも先行している。もっと自信を持つべきだ。
ところで、いまだに「五輪中止」とか言っている人たち。いい加減にしろと言いたい。デヴィ夫人の言う通り、日本の恥を世界にさらしているようなものだ。「日本人は『海外選手に日本に来てほしくない』と思っている」という誤解すら世界に与えている。4年に一度のスポーツの祭典に人生をかけて臨んでいる世界中のアスリートたちに失礼極まりない。
かつて1980年のモスクワ五輪を、ソ連の前年暮れのアフガニスタン侵略を理由に多くの国がボイコットし、日本も追随した。その時の日本人選手たちは「納得できない。出場したい」とぎりぎりまで政府方針に抵抗していた。柔道の山下泰裕選手(現JOC会長)もその1人だった。
コロナ禍どころじゃない、対外侵略を行った血塗られた国で開かれる五輪であっても、それでも出場したいのがアスリートの本音なのだ。それほど熱い思いで4年に一度の大会に賭けているアスリートたちに、どの面下げて「五輪中止」などと言えようか。
社説で政府に「五輪中止」を求めた朝日新聞も、IOCバッハ会長に「五輪中止」のプラカードを掲げて抗議した人たちも、完全に正気を失っている。