吊りしのぶ

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「東京五輪中止」社説を書いた朝日新聞論説委員らは実名を明らかにし、筆を折れ!

朝日新聞社が主催(共催は日本高等学校野球連盟)し、毎日新聞社が後援する甲子園の全国高校野球選手権大会兵庫県は8月16日、県全域が蔓延防止等重点措置に指定され、20日には国の緊急事態宣言の対象地域となった。

大会が始まった8月9日時点で兵庫県には蔓延防止等重点措置は出ていなかったが、既に7月下旬からデルタ株への置き換わりによる感染の急拡大が始まっていた。いずれ蔓延防止等重点措置、緊急事態宣言へと移行することは十分予測できたはずだ。

それなのに朝日新聞社は甲子園大会を強行開催した。無観客開催とはいえ、テレビ中継を見ればわかるとおり、スタンドでは大勢の各校の生徒たちがマスクをして応援し、チアガールたちが応援を盛り上げている。東京五輪には見られなかった光景だ。

こんなことをやって大丈夫なのかと誰もが思うにちがいない。案の定、選手や関係者のPCR陽性者が次々に出て、大会途中で出場辞退を決めた高校もある。果たして甲子園大会の感染対策は万全なのか。朝日はもとよりどのメディアも取材しないから、感染対策の実情がどうなっているか我々国民にはさっぱりわからない。東京五輪のときは、バブル方式が機能しているか、鵜の目鷹の目であら探しをしていたのに。

甲子園大会は確かにやるべきだろう。高校球児の夢と憧れをかなえてやりたいと思う。だから無観客での開催には私は賛成する。

だが、生徒たちの応援、これはダメだ。これでは無観客とは言えない。リスクを最小限にしたとは言えないからだ。なぜ朝日がこれを認めるのか全く理解できない。

朝日新聞社は、こうやって自分たちが主催する甲子園大会は平然と開催しておきながら、東京都が自ら進んで招致し、世界に向かって開催を約束した東京五輪は、開催の2カ月も前に社説を使って中止を要求した。

www.asahi.com

あの社説で朝日は、「緊急事態宣言下でも開催する」とIOCのコーツ副会長が述べたことをとらえて、「驚くべき発言」と批判していた。

無観客にしたとしても、ボランティアを含めると十数万規模の人間が集まり、活動し、終わればそれぞれの国や地元に戻る。世界からウイルスが入りこみ、また各地に散っていく可能性は拭えない。

とも書いていた。

無観客開催も許されないと言ったのである。

「世界からウイルスが入りこみ、また各地に散っていく可能性は拭えない」とあるが、それは甲子園大会だって同じだろう。参加校は日本全国から兵庫県に集まってくる。終われば全国に戻っていく。日本各地からウイルスが入り込み、また各地に散っていく可能性は拭えないのだ。

あの社説を書いた論説委員たちの論理に従うならば、甲子園大会は「中止」以外の選択肢はなかったはずだ。それでも朝日新聞社は甲子園大会を強行した。無観客と言いながら、大勢の応援団を入れて応援までさせている。しかし、何度でも繰り返すが、朝日はたとえ無観客でも東京五輪はやるべきでないと言っていたのだ。

なんというダブルスタンダードだろう。

当時からわかっていたことだが、結局のところ、朝日の「東京五輪中止」社説とは、五輪をダシに使って政府を追い詰める政治的論説だったのだ。その証拠に、朝日が中止を求めたのは、五輪を招致した東京都知事ではなく、政府の菅首相だった。人気が低迷する菅政権に打撃を与えて、間近に迫った衆院選で少しでも野党有利な状況を作りたい。菅政権を叩く絶好のチャンスと思ったのだろう。

一生に一度の機会となる高校球児の胸の内はおもんぱかっても、自分の人生を賭けて五輪に臨む全世界のアスリートたちの胸の内は完全に無視した。コロナで危険にさらされる人の命が最優先だというなら、高校球児もアスリートも差はないはずだ。

なぜアスリートはダメで、高校球児はOKなのか。世界からやってくるアスリートたちは85%がワクチン接種を終えていたが、高校球児たちの一体何パーセント、何割がワクチン接種をして参加したのだろう。ほとんどしていないのではないか?

朝日はこうも書いていた。

コロナ禍で、競技によっては予選に出られなかった選手がいる。ワクチン普及が進む国とそうでない国とで厳然たる格差が生じ、

甲子園大会でも、地区予選の段階で出場辞退に追い込まれた高校がいくつもある。

news.yahoo.co.jp

 各地区大会では、感染による影響で出場辞退に追い込まれたところも出てきているのも現実だ。福井県福井商新潟県中越といった甲子園出場実績のある学校でも、そうした事態に追い込まれてしまった。

 また、かつて徳島海南時代には全国制覇も果たしたという実績もある徳島県の海部の場合は、「学校が休校になった段階で、大会には出場しない」ということが決められていた。そのため、休校になった段階で方針に従って、大会出場辞退ということになってしまった。

朝日が言う「格差」は甲子園をめぐっても起きていた。それでも朝日は甲子園大会を開催した。ここでも朝日のダブルスタンダードは際立っている。東京五輪は参加したくても参加できない選手がいて格差が生じ、だからやっても意味がないとほのめかしていたではないか。

しかし、私は甲子園大会の無観客開催に賛同する。だからこそ、「東京五輪中止」という世を惑わすアジビラまがいの社説を書き、国民の反菅政権、反五輪の感情を煽り、アスリートたちを苦悩のどん底に落とした朝日新聞論説委員らを、絶対許せない気持ちになる。

彼らがアスリートたちの気持ちをどこまで考えてあの社説を書いたのか、是非聞いてみたい。人の命が大事だというのなら、五輪がダメで甲子園が良いと考えた理由を教えてほしい。大会が始まる前の7月下旬には、若者の感染割合が劇的に増えていると報じられていた。若者でも重症化する例があることは、もっと早くからわかっていた。

一体誰があの社説を書いたのだ。「社説」の看板に隠れていないで名を名乗ったらどうか。そして、とんでもない社説を書いたことの責任を取り、さっさと筆を折るべきだ。