全く新聞記者というのは何様のつもりなんだろう。総理大臣に直接質問できる特権があるためか、自分がよほど偉い人間になったと勘違いしているのではないか。一国の総理大臣に対して、敬語も使わず、回答を強要するかのように居丈高に質問する態度には、強い怒りを覚える。
テレビニュースでも官邸動画でも、質問する記者の姿は映らない。映らないことをいいことに言いたい放題だ。国民注視の会見であるから、総理はどんな無礼な質問にも丁寧に対応しなければならない立場だ。それをいいことに、礼儀も何もあったもんじゃない。
9月1日の官邸での記者会見。
(1分23秒あたり)から始まり、司会を無視して菅首相に迫る朝日新聞記者。
記者 あの、朝日新聞です。
司会 次の日程がございますのであと一問だけ。
記者 最初の発言だと今は解散しないってことでいいんですね。
総理 はい、今の状況じゃできないということです。
記者 任期満了までやり続けるってことですね。
総理 解散については、そこは申し上げましたけども、解散をするような今の……まず新型コロナ対策最優先ですから、そういうことを考えたとき、そんな状況にはないと、そこは明快に申し上げております。
司会 はい、ありがとうございました。
記者 (司会を無視して)任期満了までについてはどういうふうにお考えなんですか。任期満了までには解散の選択肢はあるということなんですか? 今はやらないというのは。
総理 任期満了という……いつのことですか。
記者 衆議院としての10月21日。
総理 そこまでですか。
記者 はい。
総理 総裁選挙をやるわけでありますから、総裁選挙の先送りも考えてませんし、そういう中で日程というのは決まってくるだろうというふうに思います。
なんだこの口の聞き方は! 株主総会じゃあるまいし。総理大臣相手に「いいんですね」はないだろう。まともな社会常識があれば「よろしいでしょうか」という敬語表現が自然に出てくるはずだ。
「最初のご発言ですと、今は解散されないという理解でよろしいでしょうか」程度のわきまえた聞き方はできないのか。
「ってことですね」「なんですか?」も、こんな聞き方して恥ずかしくないんだろうか。
「任期満了までやり続けるってことですね」
→→「任期満了まで総理の責務を全うされるご決意と受け取ってよろしいでしょうか」
司会が「一問だけ」と言っているのに質問を連発し、司会が「終わり」と言っても完全無視して質問を続ける朝日新聞記者。司会を見下している態度がありあり。
「任期満了までに解散の選択肢はあるということなんですか、今はやらないというのは」
→→「『今は解散はやらない』とおっしゃいましたが、任期満了までに解散の選択肢はまだあるとお考えなんでしょうか」
総理大臣に質問するのだから、一定の礼儀、礼節をわきまえた言葉遣いで質問するのが人の道というものだろう。
記者になったら人間としての礼儀、礼節は無視しても構わないと一体誰が決めたのだ。朝日新聞社は記者にそういう教育をしているのか。それとも、朝日新聞の記者だけはどんなに無礼な言葉遣いをしても許されるということか。
新聞社もテレビ局も第4権力である。マスメディアが政府を監視、批判する役割があるというなら、一般国民にはマスメディアを監視、批判する役割がある。まさか「自分は国民の代表として質問している」なんて思ってないだろうね。記者に我々国民を代表する権利なんかないし、誰もそんなこと頼んでない。
国民を代表しているのは記者ではなく総理大臣だ。支持率がどんなに下がろうが(下がってもまだ30%弱あるが……)、総理の職にある間は国民の代表であることに変わりはない。
選挙の洗礼を受けて衆院議員になり、さらに国権の最高機関である国会で首班指名され、さらに日本国の象徴たる天皇陛下の任命を受けて総理の座に就く。民主主義の正当な手続きを踏んでその地位に就いた者に対して、たかだか就職試験をパスして記者になったにすぎない一介のサラリーマンが、まるで総理と対等の立場にあるかのように無礼な口を聞く。思い上がりも甚だしい。
私がもしその場にいたら、「おい、おまえ、なんだその口の利き方は! 顔を洗って出直してこい」と一喝するところだ。