今更釈明しても遅い。立憲民主党の江田憲司代表代行は、こう述べたという。
江田氏は28日のBSフジの番組で、党が主張している金融所得課税強化の議論のなかで、司会者から「低所得者や中所得者が積み立て、運用している部分に対して同じように30(%の課税を)かけるのか」と聞かれ、「同じようにかけます」と答えた。米国などと比較して「過大なことではない」などと発言した。
さもありなんと思った。「反安倍政治」を旗印にしている立憲民主党だ。安倍政権がやったことを、一つ一つひっくり返す腹づもりだろう。
NISA(少額投資非課税制度)は人生100年時代を迎えて、公的年金だけに頼る老後の生活設計には限界があることから、若い世代や中堅世代に投資を促す制度だ。年配の人でやっている人もいるらしい。
これからはアメリカ並みに投資によって資産形成を図ってもらおうという意図と、株式投資を活発にして経済を成長させようという意図、この2つが背景にある。安倍政権が構想して実現させたものだ。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、反安倍だから反NISAというわけか。
もちろん、消費減税や分配のための財源探しという狙いもある。たぶん立憲民主党は、税を取れそうなところはどこか必死で探しているのだろう。
なにしろ成長よりも分配が先だというのだから、これは経済成長しなくても、とにかく分配はちゃんとやりますよ、と言っているようなもの。毎年、その全部を国債でまかなっていたら、赤字国債の日銀引き受けと同じで、財政規律は吹っ飛んでしまう。
国債発行がどこまで安全か経済に素人の自分にはよく分からないが、何でも国債発行でできるならそもそも税金は要らないはずだ。国の財政運営は全部国債発行でまかなったお金でやればいいことになる。いくら何でもこれは無理じゃないだろうか。
旧民主党もそうだったが、大盤振る舞いするなら、問題は財源をどうするかだ。江田憲司氏の「NISAにも課税」発言は、立民が財源探しで、どこか増税できるところはないかと躍起になっていることを示していると思う。