吊りしのぶ

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旧統一教会系「世界平和女性連合」を好意的に紹介した新聞~朝日、毎日、中日、読売、西日本、中国新聞ほか

アゴラの「朝日新聞が旧統一教会側と『接点』」を読んだ。

最初、筆者の山田肇氏はピースロードとの「接点」について書いていたが、山田氏が取り上げたのは「ピースロード鎌倉」という市民団体。これは旧統一教会とは何の関係もない。

同教団と関係のある「ピースロード」というイベント(スポーツ自転車で日本列島を縦走しながら世界平和を訴えるというもの)と誤認した記事だった。

さすがに勇み足に気づいたようで「訂正」が出たと思ったら、中身は同じ旧統一教会系の「世界平和女性連合」と朝日新聞との「接点」を明らかにしたものだった。

記事の冒頭で、こう書いている。

政治と「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」側との関係を鋭く批判している朝日新聞にも、旧統一教会側との接点が確認された。朝日新聞記事データベースの検索で明らかになった。

公明党の議員などが出席したとして問題になっている統一教会の関連団体、世界平和女性連合(WFWP)について、朝日新聞が好意的に取り上げた記事が、2000年以降だけで10本以上ある。

これには笑った。

紹介された留学生の日本語弁論大会の記事を見る限り、朝日新聞は、主催する「世界平和女性連合」なる団体が統一教会系であるとか、統一教会と関係が深いとか、そういうことは一切書いていない。

むしろ、「外国人ならではの見方に聴いていた会場の約60人から笑いがもれた」という記述から、記者がこの統一教会系団体によるイベントを「なかなか良いことをやっている」という趣旨で紹介していることが分かる。

また、日本学生支援機構留学センター長が審査員を務めているとも書いて、由緒正しいイベント、信用のおけるイベントだと読者に印象づけようともしている。

どう読んでも、朝日新聞は旧統一教会系イベントの広告塔の役目を買って出ているとしか思えない。

そうやって堂々と旧統一教会系団体と「接点」を持っておきながら、国会議員その他の政治家が同じように「接点」を持つと鬼の首でも取ったように批判するのだからタチが悪い。

朝日新聞のような大新聞が、何の注釈も付けずに、しかも好意的に旧統一教会系の関連団体を紙面に載せるのだから、国会議員らが、そうした団体と「接点」を持っても問題になることはないだろうと考えたとしても不思議はない。

旧統一教会系の団体にお墨付きを与えてきたのは、他ならぬ大新聞自身なのだ。

アゴラで山田氏は、

朝日新聞もWFWPを「宣伝」しているが、批判するつもりはない。

と書いているが、私はそうは思わない。

自分たちがお墨付きを与えておきながら、その団体にちょっとでも国会議員らが関係すると、口をきわめて非難するというのはフェアではないからだ。

フェアでないどころか、完全なダブルスタンダード。しかも、朝日新聞は今のところ、この山田氏の指摘に対して何の釈明もしていない。

自分を棚に上げて他を批判することを「厚顔無恥」と呼ぶ。朝日新聞はまさにこれだ。

朝日がやっているくらいだから、他の大手紙もやっているだろうと思って調べてみた。

すると、出てくる出てくる。

  • 中国新聞「幸せ表現 絵画募る 世界平和女性連合設立30周年 来月30日 広島で講演も」2022年3月19日
  • 北海道新聞・地方版「胆振東部地震で被災 3町に義援金を贈る 世界平和女性連合」2019年4月1日
  • 中日新聞・愛知県内版「女子留学生が日本語で弁論 名古屋で県大会」2014年7月15日
  • 読売新聞・大阪「日本語弁論 張さん最優秀 北区で留学生県大会=岡山」2014年7月14日
  • 毎日新聞・三重版「エイズ知識講演会:予防や対策を強調――津」2010年4月19日
  • 西日本新聞「福岡県/大虐殺から10年、ルワンダ知って 福岡市で写真展 元小学校長の力武さん」2005年2月6日

「世界平和女性連合」を肯定的に紙面に載せた新聞は、ざっと調べただけでもこれだけある。

どれも主催が世界平和女性連合だったり、内容が同連合と直接の関連があったりするものばかり。ただし、見出し中の個人名は、同連合と何らかの関係はあっても、記事を読んだ印象では旧統一教会の信者ではないと思われる。

どの記事にも、世界平和女性連合が旧統一教会系の団体だという説明はない。

読者は「世界平和女性連合っていいことやってるな」と思うに違いない。つまり、上記の大手紙はみな、旧統一教会系団体と取材を通じて「接点」があっただけでなく、旧統一教会系団体の「広報」「宣伝」のようなことをやっていたわけだ。

それでいながら、今になって旧統一教会を悪の権化のように非難し、関連団体と「接点」があっただけで国会議員らを叩きまくるのだから恐れ入る。

厚顔無恥ここに極まれりだ。