吊りしのぶ

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山上容疑者が手紙を送った米本和広氏の『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)がAmazon Kindle版で復刊

安倍元首相を銃撃した山上容疑者が手紙を出していた旧統一教会批判のジャーナリスト、米本和広氏は2008年に『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)を刊行した。

amazonから

マスコミ報道では「旧統一教会批判のジャーナリスト」と紹介されているが、米本氏は旧統一教会を批判する側の弁護士や「信者救出」に関わるキリスト教の牧師、活動家らも厳しく批判していた。

そのスタンスは、

旧統一教会に批判されるべき点がたくさんあるにせよ、同教団を批判する側、教団信者の「救出」に関わる側がやっていることは正義からほど遠い。彼らも道徳的、法的に相当おかしなことをやっており、その行為は厳しく非難されるべき。

というものだ。

これを米本氏は「反カルトのカルト性」と表現していたと思う。

「救出」されたはずの元信者たちは深い心の傷を負った。その人たちのケースを、一つ一つ丹念に取材したのがこの本である。

以前、不思議なタイトルに引かれて本屋で買い求め、読み始めたら短期間で全部読んでしまった。今は絶版になっている。

本棚のどこかにあったはずと思って探したのだが、なかなか見つからない。狭い家だから一部は段ボール箱に入れて収納スペースに移している。その中にあるかもしれない。しかし、これを探し出すのは大変だ。

残念に思っていたところ、アマゾンKindle版が発売された。

これはありがたい。

この本を読むと、今テレビや新聞でもてはやされている霊感商法対策弁護士や旧統一教会批判を行うジャーナリストらのいかがわしさがわかる。

彼らが自分たちに都合の悪いことを隠していることも見えてくるはずだ。

例えば、山口広弁護士は、インタビューに答えておかしなことを述べている。

次の一節に注目したい。

マインドコントロールされた信者を、家族が家庭に取り戻すのは本当に難しい。よかれと思ってやる家族と、冷静に話し合って、本人も納得して、というプロセスは大変だけど、強制はだめ。入会して活動している本人の気持ちをよく聞いて、対応することが必要です。

ここだけ読むと一見もっともらしい。

しかし、よく考えるといくつもおかしな点がある。

  • 「マインドコントロールされた信者」と言うが、信者は本当にマインドコントロールされていたのか?
  • 自らの意志で信者になった者とマインドコントロールされて信者になった者をどうやって区別しているのか?
  • そもそも「マインドコントロール」で人を特定宗教の信者にすることなんて、できるのか?
  • 「強制はだめ」と言うが、信者を「救出」する現場では、長いこと強制が行われてきた。
  • 「救済活動35年」の山口広弁護士は、長年行われた「強制による棄教工作」の事実を知らなかったのか?

これだけの疑問や疑惑があるのに、インタビュアーは突っ込みが甘い。

「救出」という名の「強制による棄教工作」の具体例を、思いつくまま上げてみる。

  • 1人の信者に狙いを定め、集団で待ち伏せして力ずくで拉致し身体を拘束。
  • 秘密のホテルなどに監禁。
  • 裁判所が出した「人身保護請求」が届くと、それを無視して監禁場所を変える。
  • 監禁状態のまま、密室で脱会のための説得を行う。
  • 脱会するまで監禁を解かないと脅す。
  • その間、外部とは一切連絡させない。
  • 信者が望む情報はほとんど与えず、統一教会批判の情報だけを与える。

これらが『我らの不快な隣人』などで暴露された事実である。何のことはない、強制そのものではないか!

山口広弁護士の「強制はだめ」発言の何と白々しいこと。

実際に拉致を経験した人の本に『人さらいからの脱出』という、こちらは統一教会系の出版社から出たものがある(amazonは絶版切れ。古本なし)。確か『我らの不快な隣人』に続けて読んだ。

上に書いたことは、この本で得た情報も混じっているかもしれない。どういうわけか、この本も本棚に見当たらず、確かめようがないのだが。