「世界日報」の論調と統一教会の教義は全然違うのに、なぜかこれを同一視して「世界日報は統一教会の機関紙」などと言う変なジャーナリストがいる。
いや、ジャーナリストだけじゃない。
立憲民主党の石垣のりこ議員も、世界日報社から2度にわたって抗議文がきたにもかかわらず、世界日報を「統一教会の機関紙」と書いた投稿は撤回しないと怒っている。
立憲民主党の蓮舫議員、日本共産党の宮本徹議員、小池晃議員も支持を表明しているそうだ。
だが、世界日報と敵対関係にある共産党から支持されても、応援にはならないんじゃないか。
石垣のりこ氏は、早めに撤回した方がいいのでは?
今、テレビ報道でも大手紙でも、世界日報を「機関紙」と言っているところはほとんどない。みな「統一教会の関連団体」「統一教会系の新聞」などと言っている。
関連団体であるのは間違いない。「統一教会系」もその通り。実物を購読すれば分かることだ。しかし、これを機関紙というのは的を大きく外している。
早い話が、世界日報を教団の機関紙扱いするのは、公明党の機関紙「公明新聞」を創価学会の機関紙と言うようなものだ。
「公明新聞」は政党である公明党の機関紙である。これを創価学会の機関紙と言い張り、間違いを指摘されても撤回しなければ、訴えられても文句は言えない。
「公明新聞」の論調は、当然「聖教新聞」の論調と重なる部分があるだろう。しかし、違う部分もある。
特に安全保障問題では、公明党側が支持団体の創価学会の反対を押し切って、現実路線に舵を切ってきた。だからこそ自公連立政権も長続きしたわけだ。
公明党は、一部で「創価学会の政治部」と揶揄されるほど学会との関係は深い(といわれている)。
それでも、
- 創価学会は布教と信者教育のための組織
- 公明党は一般有権者からも受け入れられる公約を掲げて活動する政党
という違いがある。
両者の主張に自ずと違いが生じるのはむしろ自然なことだ。
同じような主張をしている部分だけを捉えて、「教団の教義を浸透させるための媒体だ、だから機関紙なのだ」と決めつけるのは、短絡的すぎる。
昨日のブログで、「世界日報は日韓関係で自虐史観、反日史観をとっていない。いつまでも謝罪を繰り返すべきじゃないという安倍元総理の主張を支持してきた」(要旨)と書いた。
世界日報は、安倍内閣の「慰安婦合意」を支持し、いわゆる元徴用工問題でも、国際法に違反しているのは韓国の方であり、韓国側に是正の責任があると主張している。
ところが、統一教会の教義は、日韓関係に関する限り、自虐史観、反日史観そのものだ(といわれている)。
これは、世界日報の主張に共感した人が、統一教会のシンパになるとは限らないことを意味する。
「世界日報はいいこと書いてるのに、統一教会は許しがたい」と怒る保守派もいるだろう。
だとすると、世界日報は布教の手段にはならない。
しかしよく考えてみてほしい。宗教団体の布教の手段に使えない新聞を、その宗教団体の「機関紙」と呼べるだろうか?
一方で、統一教会系の新聞だから、統一教会が外部から攻撃を受ければ(今がそうであるように)、世界日報は紙面を使って援護射撃もする。そういう側面があることも事実である。
これは公明党の「公明新聞」だって同じ。これをもって機関紙扱いすることはできない。