吊りしのぶ

気の向くまま、思い付くままに。記憶にとどめたいoutputの場として。

「カルト宗教をつぶせ」と叫んでいる人にだまされないために

旧統一教会側が様々な形で反撃に出ている。YouTubeチャンネルの開設もその1つ。

ここでは教団側が集中的な嫌がらせ、誹謗・中傷・脅迫を受けていることが明かされた。

しかし、これをきちんと取り上げ、「いくら社会的に問題になっている団体でも、誹謗・中傷・脅迫はいけない」と世論に注意喚起し、逸脱行動に走る人たちをいさめたメディアは、私が知る限りない。

このことは9月7日の拙ブログで書いた。

tsurishinobu.hatenablog.com

堀江貴文氏が「旧統一教会いじめではないか」と発言して、批判が殺到したそうだが、これは堀江氏の言うことが正しい。

まさしく今起きていることはいじめである。「社会的に問題になっている団体」なのだから、誹謗・中傷・脅迫してもいい、というのが今の世論であり、それを後押ししているのがマスコミだ。

ならば、教育現場や社会で同じことが起きても、誰もそれを非難できないだろう。

「あいつはいじめっ子だ。今までさんざん悪いことをやってきた。この際、みんなで仕返ししよう。誹謗・中傷・脅迫なんでもアリだ!」

そうやって集団いじめをしたところで、だれもそれをとがめられない。

「マスコミや世論が旧統一教会やその信者に対してやってるのと同じことをやって何が悪い」と言い返されたら、誰も反論できないだろう。

さて、旧統一教会をいじめ、いたぶる格好の言葉の1つが「カルト」である。

カルトについての教団側の解説動画がアップされていた。

www.youtube.com

解説しているのは、UPF日本の魚谷俊輔氏。以下は魚谷氏の個人サイト。

反統一教会の学者たちに対する辛辣な批判もあれば、「旧統一教会の教義は男尊女卑、古くさい男性中心の家族観だ」というステレオタイプな批判への冷静な反論もあり、かなり読み応えがある。

suotani.com

カルトについて言えば、本来、宗教社会学上、価値中立的な用語だったこの言葉を、マイノリティー宗教や自分の嫌いな宗教を差別し、蔑視する言葉に作り替えてきたのが、世論に便乗したマスコミ、反宗教を信条とする活動家、弁護士、学者たちだった。

メディアやブログやSNS、活字媒体では「カルト」「カルト宗教」という言葉が飛び交っているが、きちんと定義して使っている人はいない。

定義しようとした人もいるが、どれもこれも反証に耐えられない。

  • 人権侵害が多発している団体がカルト→→カトリックでは聖職者による児童や成人への性的虐待が世界各国で常態化。日本のカトリックでも被害者の会が設立されている。比較的公正に書かれていると思われるウィキ「カトリック教会の性的虐待事件」参照。では、カトリックはカルトなのか? ローマ教皇を「カルトの教主」と呼ぶべき?
  • 脱会が容易でない団体はカルト→→イスラム教も脱会は容易でない。教義上、脱会は許されない。保守的なイスラム教では脱会は死刑宣告の対象となるから、信者は内心で脱会するのみで、それを公表できない。日本のイスラム教でも脱会はできない。ウィキ「イスラム教における棄教」参照。では、イスラム教はカルト? 日本では「多文化共生」と称してイスラム教徒の受け入れに積極的な動きがあるが、カルトを非難しながらカルトの受容に熱心っておかしくない?
  • 親が子どもに信仰を強制する団体はカルト→→イスラム教徒同士で結婚すれば子どもは否応なくイスラム教徒として育てられる。カトリックは幼児洗礼によって生まれながらにカトリック教徒にされる。ユダヤ教は生後まもなくの男児の割礼の儀式により、やはり生涯、ユダヤ教徒の印を身体に刻まれる。では、イスラム教、カトリック、ユダヤ教はカルト?
  • 教義が荒唐無稽だからカルト→→荒唐無稽でない教義の宗教なんてあるだろうか? キリスト教はイエスの処女降誕を謳い、イエスは死後復活した後しばらくして昇天したとするが、他宗教の信者や無宗教の人から見れば荒唐無稽。現代仏教は六道輪廻の生まれ変わりを説き、死後の成仏のために追善供養を行う。これは誰も検証できない教義だ。チベット仏教に至っては、ダライラマは死後、即座に人間に転生するというが、普通の理性ではまず受け入れがたい。ある仏教学者によると、学問としての仏教学では死後の世界を認めることはないが、仏教系大学でそれを学んでお寺の住職になっても、説法では死後の成仏や極楽往生の話を檀家にするという。学問に励んだ住職さんほど、内心荒唐無稽と思いながら檀家に説法しているのが実態だそうだ。では、仏教もカルト?
  • 韓国中心主義で日本はサタンの国で、信者をひたすら韓国に貢がせているからカルト→→同じく韓国中心主義で、日本は数多くの慰安婦を強制連行し、韓国で乱暴狼藉の限りを尽くしたのだから、謝罪を続けるべきで、日本政府が国民の税金を投じてでも慰安婦に補償すべきと主張してきた朝日新聞や、それを支持した市民団体もみんなカルトになるのでは? 特に朝日は「吉田清治証言」の嘘を長年世界中にばらまいてきたのに、いくら批判を受けてもなかなか撤回しなかった。おかげで世界中に「慰安婦少女像」が広まってしまったのだから、その罪は重い。旧統一教会が宗教の仮面をかぶったカルトで、宗教団体は仮の姿にすぎないのなら、宗教団体ではない朝日新聞社もカルトと呼んでよいことになるのでは?

こうやって書いていくとキリがない。反カルト法なるものを作ったフランスも、ついにカルトを定義できなかった。やむなく「カルト的逸脱」をいくつか羅列して規制の対象にしたが、カルトが定義できないのだから、カルト的逸脱も定義できるわけがない。

結局、「カルト的逸脱」なるものも恣意的な基準とならざるを得ず、規制された側に不満がたまり、社会は不安定化する。

宗教に対しては「信教の自由」を尊重し、逸脱行為と思われるものについては、「信者といえども社会の一般的な法律に従うべき」として、信者以外の人に適用されるのと同じ法律で裁くのが正しい態度だろう。