吊りしのぶ

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旧統一教会は本当に「占い」をやっているのか?

「女性自身」のネット記事を見て、「ええっ」と驚いた。たまたまヒットした記事で記事投稿日は7月28日である。

jisin.jp

旧統一教会が占いをやっているという話は初耳だ。だが、これは本当の話なんだろうか。

安倍元首相テロ事件発生以来、少しずつ旧統一教会のことを調べているが、まただいぶ前、やはり気になって色々調べたことがあるのだが、旧統一教会と占いというつながりはほとんど考えたことがなかった。

信者の中に、生計を立てるため、個人として占い師になった人がいるという話は聞いたことがある。しかしそれは、信者たちが行う組織的な「霊感商法」とは無縁のもので、文字通り、占い師を生業とする人である。

そういう人は旧統一教会の信者以外にいくらでもいる。新宿や渋谷の通りを歩いていると、道端でイスに座って小さな机を出し、占いをやっている人たちを見かけることがある。

「試しに見てもらった」という知人もいれば、デパートなどでやっている占い師に鑑定してもらった知人の話を聞いたこともある。

いずれもその場限りの鑑定で終わり。街角での鑑定はただのきっかけで、そこから「高額コース」へ誘われることもあるらしいが、自分が聞いた限り、そういうことはなかったようだ。

そこで、はたと思った。この「女性自身」に載っている紀藤正樹弁護士や山口広弁護士の話。これは一体いつの出来事なんだろうか?

「占いの勉強をしています」と訪れた統一教会の信者を家に招き入れたBさん(70代)。占い料として3000円を支払ったが、信者は「霊界で祖先が苦しんでいる」と(教会の施設である)霊場に誘導。

そこで霊能師から「このままでは夫の命はない」と脅され2300万円の「念珠」を購入。その後も次々と高額商品を購入させられた。

念珠が2300万円??? あり得ない金額だ。本当にこんな金額だったのか?

自分が思うに、この紀藤&山口弁護士の話は、「霊感商法」が始まった当時、つまりバブル時代の頃の出来事ではないだろうか。

「霊感商法」が問題視されるようになったのは1980年代後半。桜田淳子さんの合同結婚式参加が92年。それからしばらく何かと騒がしかったと聞く。

1980年代後半から1990年代前半。この時期が「霊感商法」花盛りの時代だったとすると、それはちょうど日本経済のバブル期と重なる。

バブル全盛期の日本なら念珠が2300万円という腰を抜かすような金額で売れたとしても不思議ではない。

何が言いたいかというと、紀藤弁護士が「女性自身」で持ち出している話は、最近の話、日本が長いデフレのトンネルに入った時期の話ではなく、30年前のバブル期の話をしているのではないか、という疑いである。

統一教会のマイナスイメージを広めるのに格好の話題が「霊感商法」だ。だけど、最近そんな話はほとんど聞かないから、どういうものか知らない人も多い。

そこで、「霊感商法」のあくどさを強調するため、約30年前に問題になり大騒ぎになった事例を持ち出して、当時と同じことを今もやっているかのように見せて、煽っているような気がする。

「気がする」というのは、「女性自身」は、「典型的な4つの手口」のいずれについても、時期を明示していないからだ。

いつの出来事なのか一切書かれていない。これこそ「だましのテクニック」ではないか。

時期がわからないから検証することもできない。だから自分も、「気がする」「ではないのか」「本当にそうだったのか?」などと推測でしか書けないのだ。

全国弁連ウェブサイトの「悪質勧誘の手口」のところには、確かに「占い」「インターネット占い」がある。しかし、これが旧統一教会関連なのか、大いに疑問だ。

消費者庁の「被害相談」の集計でも、「いわゆる霊感商法(開運商法)」のうち、旧統一教会関連はここ2、3年はたったの2%、10年前にさかのぼっても7%である。

残りの90数%は旧統一教会と関係がない。

「占い」については、30年前のバブル期の頃はそうした手法がとられていたのかもしれない。しかし、「占い」が「霊感商法」の入り口になっているという話は、自分は読んだことも聞いたこともない。

この「女性自身」の記事が初めてだ。だから前に書いたブログでも、消費者庁が公表した資料に出てくる「占い」の事例を、旧統一教会とは無関係と判断した。

tsurishinobu.hatenablog.com

どうもおかしい。何か変だ。「女性自身」は紀藤&山口弁護士から聞いた話のウラを取ったのだろうか? 彼らの話を本当に事実と確認した上で記事にしたのか?

ともあれ、旧統一教会は「霊感商法」をもうやっていない。彼らも世間の批判を受け、そこから学んだのである。

2009年にコンプライアンス宣言が出て、旧統一教会は「霊感商法」から手を引き、布教の際は教団名を名乗って行い、物品販売は一般業者と同じくモノの販売として行うようになった。

事実、2010年前後から今年7月初めまで、「霊感商法」がマスコミを賑わすことはなくなった。大きな事件も起きていない。

それでも「被害」が発生しているとすれば、それは末端までコンプライアンス宣言が行き届かなかったことによるスタンドプレーだろう。

全国弁連は「被害は依然として続いている」と言うが、「被害相談」と「被害」を混同した世論誘導の可能性を否定できない。

何度も繰り返すが、行政が発表した「被害」の金額・件数も、よくよく読めば「被害相談」の数字である。相談はあくまで相談であり、それが本当に被害と言えるのかどうかは、当事者双方の話を付き合わせみなければ決められないことである。

たとえば産経新聞10月1日に載った次の記事も、見出しは「金銭被害」と断定的に書いてある。

しかし本文を読むと「被害の訴え」「さらに相談希望者がいる」などと書いてあり、実際には「被害相談」だったことがわかる。

産経新聞22年10月1日より

相談された事例を「被害」と言うためには、相手方の話(言い分)も聞かなければならないはずだ。

業者は「何度も意志確認をした上で販売したのに、今になってなんだ」と反発するかもしれない。

教団信者の経営する店で物品を買い、最近の報道を見て「旧統一教会があんなひどいこをしている宗教とは知らなかった。返品してほしいが、してくれない」という相談もあるだろう。

しかし、この手の相談を「被害」と断定できるのか? いくら何でも身勝手だろう。

1つ1つのケースを丹念に調査して、その上でこれは間違いなく「被害」と言えるものを公表したのならともかく、単に電話相談を受けて集計したにすぎないデータに、どれほどの信憑性があるというのか。

行政側の発表を、そのまま活字にしただけのいい加減な報道というしかない。(以下、続く)

tsurishinobu.hatenablog.com