- 1,旧統一教会を非難する勢力の急所を突いた太田光氏
- 2,拉致・監禁による強制棄教/強制改宗の結末が「ハッピーな脱会」となるケース
- 3,信者が頑として脱会を拒否した場合はどうなる?
- 4,拉致・監禁したが脱会説得に失敗し、告訴されて自殺した牧師もいる
- 5,拉致・監禁から逃げ帰っても訴訟が少ない理由
- 6,拉致・監禁されて脱会しても、精神を病むケースもある
TBSのサンジャポこと「サンデージャポン」がひどい、ひどい。旧統一教会に対する誹謗中傷の嵐である。教団は「ミヤネ屋」と「ひるおび」、紀藤正樹、本村健太郎、八代英輝の3弁護士を訴えたそうだが、サンジャポはなぜ訴えないんだろう。
サンジャポでは唯一、太田光氏がところどころまともな発言をしているから、番組自体を訴える必要はないのかもしれない。しかし、登場する連中の発言は異様で、常軌を逸している。
デーブ・スペクターも自称「ジャーナリスト」エイトも、教団から訴えられても文句は言えないのではないか。紀藤弁護士については、サンジャポでの発言も訴因に加えるべきだと思った。
裁判手続きのことは素人の自分にはよく分からないが、訴えるときは番組とセットじゃないダメとか、何かルールがあるんだろうか?
1,旧統一教会を非難する勢力の急所を突いた太田光氏
太田光氏の発言が正しいといえるのは、次の言葉。
「今までも拉致して閉じ込めたりして、いろいろ問題が起きてきて、答えはまだ見つかっていない」
これこそ紀藤正樹弁護士や全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)、有田芳生氏らの泣き所、急所中の急所である。
この発言をもって、「太田は旧統一教会を擁護するのか」と非難する連中がいるようだが、ならばこう言い返したい。
「おたくらは、違法な拉致・監禁によって信者の人権を蹂躙する行為を擁護するんですか? 家族内といえども拉致・監禁は、逮捕監禁罪というれっきとした刑事罰の対象ですよ」
と。
鈴木エイト氏は、拉致・監禁を「保護・説得」と言い換え、正当化したが、とんでもない話である。さすが自称「ジャーナリスト」だけに、実態を無視した暴論虚説を語ることなど朝飯前のようだ。
2,拉致・監禁による強制棄教/強制改宗の結末が「ハッピーな脱会」となるケース
確かに、拉致・監禁という手法、すなわち、
信者をよってたかって身体的に拘束し、全く見知らぬ場所へ連れて行って、ホテルの一室などに監禁し、「統一教会を脱会するまでここから出さない」と宣言し、その状態で脱会カウンセラーやキリスト教の牧師、脱会専門業者ら、あるいは親族らが説得を行い、最終的に脱会したと確認できたら解放する、
という手法によって、旧統一教会を脱会し、「やめてよかった」と言う元信者がいることは事実だ。
この手法にはバリエーションがあり、途中で監禁を解いても逃げないなと見たら、監禁を軟禁(監視付きで、ある程度自由にする)に変え、その状態で脱会説得を続ける場合がある。
しかし、信者は偽装脱会(脱会したと見せかけ隙をついて逃げる)することもあり、本人が「脱会します」と言ってもまだ疑いが残る場合がある。
そういう時は、軟禁状態を続けながら、本人に無理やり裁判を起こさせたり(ここで弁護士が表に出てくる)、他の元信者の裁判を手伝わせたり、信者同士で結婚しているなら婚姻無効訴訟を起こさせたりする。
「おまえは脱会したのだから、当然、合同結婚式で結婚した相手とは別れるんだろうな。別れないと言うなら、まだ信じている証拠だから、自由にしてやるわけにはいかない」
というようなことを言って、無理やり結婚を破棄させるのである。
いずれにせよ、信者が脱会して「教団をやめてよかった」と言えば、その瞬間、拉致・監禁は「保護・説得」として正当化されるわけだ。
3,信者が頑として脱会を拒否した場合はどうなる?
ところが、いつまで経っても頑として脱会を拒否した場合はどうなるか。この典型例が、12年以上監禁・軟禁された信者の後藤徹氏のケースである。
彼は12年以上、自称「ジャーナリスト」鈴木エイト氏の言う「保護・説得」を受けても脱会しなかったため、ついに親族は諦めて、ガリガリに痩せ細って餓死するかというほどの極限状態になった後藤氏が逃げるのを黙認したのである。
健康を回復した後藤氏は民事訴訟を提起し、最終的に勝訴した。
後藤氏の拉致・監禁に関与した宮村峻氏(脱会業者の大ベテランで立憲民主党はよりによって、この人物にヒアリングした)らは損害賠償を命じられている。
最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は2015年9月29日、親族と改宗活動家らの上告を棄却する判決を下しました。
東京高裁(須藤典明裁判長)は2014年11月13日、拉致監禁の事実認定について後藤代表の主張をほぼ全面的に受け入れ、兄夫婦と妹の3人に対して総額2200万円の支払いを命じるとともに、改宗活動家・宮村峻(たかし)氏に対しては、上記損害のうち1100万円を、また新津福音キリスト教会(新潟市)の松永堡智(やすとも)牧師に対しては同440万円を連帯して支払うよう命じていました。
このような判決が出ている。
4,拉致・監禁したが脱会説得に失敗し、告訴されて自殺した牧師もいる
また、長い間、拉致・監禁に関わってきた古参牧師の中には自殺者も出ている。神戸真教会の高澤守牧師だ。2015年に起きた悲劇である。
高澤は今年、夫婦をぐるぐる巻きにして拉致し、監禁下で強制説得を行なった。
その後、2人は警察に救出され、解放された。
2人は広島県の警察に告訴状を提出、警察はこれを受理し、現在捜査の最中だった。
これは山上容疑者が手紙を送っていた米本和広氏のブログからの引用。
あくまでブログを読んでの推測だが、高澤牧師は司直の手が及ぶことを潔しとせず、自ら命を絶ったと思われる。
拉致・監禁が本当に「保護・説得」であるなら、高澤牧師は何も恐れる必要はなかった。ただ泰然としていればよかった。死ぬ必要はなかった。だが、自殺したのである。
このように、拉致・監禁による脱会工作は、本人を脱会させることができれば問題は顕在化しないが、それができないときは大問題になる。
5,拉致・監禁から逃げ帰っても訴訟が少ない理由
拉致・監禁から逃げ出すことに成功した信者もいる。だとしたら、全国各地で裁判が次から次へと起きてもおかしくない。しかし裁判になった例は少ない。なぜか?
裁判を起こすには、親や兄弟姉妹、親族を訴えなければならないからだ。脱会カウンセラーや牧師、脱会業者、弁護士らだけを訴えるわけにはいかない。
子が親を訴える。これがどんなに心理的ハードルが高いかは考えるまでもない。いくらひどいことをされても、親は親である。
親もまた脱会業者らにあることないこと吹き込まれ、拉致・監禁しか子どもを脱会させる方法はないと信じ込まされた被害者かもしれない。
そう思うと訴訟に踏み切れないのだ。これが裁判例が少ない理由である。
6,拉致・監禁されて脱会しても、精神を病むケースもある
少し前に「本人を脱会させることができれば、問題は顕在化しない」と書いたが、実はこれは不正確である。
脱会してもPTSDを発症したり、鬱病になったり、魂を傷つけられて悩み続けたり、といった人たちがいる。
この人たちに取材して刊行されたのが米本和広氏の『我らの不快な隣人』(情報センター出版局刊)である。既に在庫切れになっているが、キンドル版が新たに販売されており、「拉致・監禁なんてデタラメだ」と思い込んでいる人は、この本を読むべきだ。
もう一つ、かつて全国弁連で紀藤正樹弁護士や山口広弁護士らと行動を共にし、後に彼らと訣別した伊藤芳朗弁護士の証言がある。
antihogosettoku.blog111.fc2.com
これは米本和広氏が後藤徹氏の裁判に提出した陳述書に出てくるものだ。
この中で、米本氏からインタビューを受けた伊藤芳朗弁護士は、信者を脱会させる際に違法な拉致・監禁という手法がとられていたこと、紀藤正樹弁護士や山口広弁護士がその事実を知っていたことを赤裸々に語っている。
陳述書は公開されているが、紀藤弁護士も山口弁護士も名誉毀損で伊藤弁護士を訴えたという話は聞かないから、たぶん事実なんだろう。
この伊藤芳朗弁護士の証言や後藤氏の証言、そして米本氏の本を読まずに「拉致・監禁なんてデタラメだ」という人間は、己の無知・無理解を誇っているようなものだ。太田光氏を非難するメディアも同様。
自分に言わせれば、物事の真実を見たくない、知りたくない、聞きたくない哀れな人たちだ。
民主主義社会で大事なのは手続きである。今や違法な手段で入手した証拠は、裁判でも証拠採用されない時代だ。たとえその証拠が、犯罪事実の有無を立証する重要なものであったとしても。
拉致・監禁の結果が「ハッピーな脱会」という結果になるか、「脱会したが精神を病む」という結果になるか、脱出に成功して事なきを得るか、結果はいろいろだ。
しかし、結果がどうなるにせよ、拉致・監禁という手段が違法なのである。
たとえ、「ハッピーな脱会」という結果が得られたとしても、違法な手段は使ってはいけない。これが民主主義社会のルールである。
具体的な拉致・監禁の実例についても書きたいが、もう時間がない。拙ブログなど読まなくても、伊藤氏や後藤氏の証言、『我らの不快な隣人』を読めば十分だし、それがベスト。
「隠された事実」を知って驚愕しない者はいないだろう。