吊りしのぶ

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山口広弁護士のご乱心~7月発行の消費者法ニュースで「旧統一教会関連の相談は減った」と明言していた!

全国霊感商法対策弁護士連絡会(略称:全国弁連)が、旧統一教会の「解散命令」を請求すべきと文科省、法務省に申し入れを行った。

www.fnn.jp

旧統一教会は「反道徳的、反社会的」なのだそうだ。

しかし、もし7月8日、あの悪夢のテロ事件がなかったら、果たして同連絡会は旧統一教会の「解散命令」請求を申し入れていただろうか?

おそらく、旧統一教会がマスコミの話題に上ることはなく、同連絡会もそんなアクションを起こすことはできなかっただろう。

なにしろ旧統一教会関連の「被害」は過去10年、減少の一途を辿っていたからだ。

前にも書いたように、消費者庁への相談件数も、2021年度は「いわゆる霊感商法(開運商法)」の被害相談のうち、旧統一教会が関係するものは2%未満しかなかった。

全国弁連の「被害」記録を見ても同様の傾向が出ている(下のグラフ)。

産経新聞より

「強制献金が新たな問題として浮上した」などと言うが、全国弁連公表の「商品別被害集計」を見ても、うそっぱちだと分かる。

【献金・浄財】

「被害金額」は2021年が「8件 8795万6670円」。2012~21年に合計が年間10億円を超えたのは2回のみ。その前の10年間、2002~11年は8回だった。つまり、金額は大きく減っている。

「被害件数」も、2012~21年はほとんどが2桁で、直近の2021年は1桁の8件しかない。2002~11年が軒並み3桁の件数だったことと比べ、明らかに減っている。

【借り入れ】

2021年、20年は「被害金額」ゼロである。19年は1件50万円。2012~21年の「被害件数」は2012年を除いて1桁しかない。2002~11年は毎年2桁だったから、やはり大きく減っている。

ここまで書いたことから3つのことが言える。

  1. 「霊感商法の被害者は依然として多い」は、事実の裏付けがない。
  2. 「霊感商法が難しくなったので献金や借り入れ被害が増えた」という全国弁連やマスコミが流布している主張には、事実の裏付けがない。
  3. 「強制献金の被害が増えている」は、事実の裏付けがない。

つまり、全部デタラメだということだ。

全国弁連の公開している資料が、歴然とそのことを物語っているではないか。

いや、7月の銃撃事件以来、被害相談が急増している、と彼らは言うかもしれない。しかしそれは、マスコミが20年前、30年前の事例を、さも統一教会が今もやっているかのように大々的に報じた結果である。

「女性自身」が報じたように「2300万円の念珠を買わされた」などという記事を読まされたら、「わたしが買った念珠も何十万もする高価なものだったけど、ひょっとしたらだまされていたのかも」と思って相談する人が出てきてもおかしくない。

しかし、「女性自身」が報じた事例は、検証の結果、そんな事実はなかったか(つまりウソ)、あったとしても今から約30年前の話だったのだ。

あまりに悪質な印象操作で、メディアのやり口の汚さを痛感させられる。この記事は紀藤正樹、山口広両弁護士に取材していたというから、呆れてものも言えない。tsurishinobu.hatenablog.com

統一教会は2009年にコンプライアンス宣言を発して、今後は社会常識に即した活動をするとした。それ以前の活動には問題があったと自ら認めたのだから、同宣言より前の行動を取り上げて非難するのはナンセンスである。

誤解を承知で書けば、過ちを犯した人間が謝罪して「これからは行動を改めます」と言ったのに、前に犯した過ちを何度も何度も蒸し返して非難するようなもの。

これが人権尊重を掲げる弁護士のやることだろうか。

それに7月の事件以降に急増した「被害相談」は、あくまで「相談」であって、なんら「被害」と確定したものではない。

「被害」と言うためには、相手方との話し合いによる事実の確定作業が必要だ。相談の訴えに対し、相手方が非を認めて返金に応じれば被害と認定できるが、承服できないと拒否すれば、裁判で争うしかない。裁判の結果がどうなるかはやってみなければわからないことだ。

まだ7月の事件から3カ月しか経っていないのに、そんな検証ができるわけがない。今はまだ「相談を受けた」段階だろう。

それをもって「実は隠れた被害がこんなにあった」などと主張するのは、人を欺く所業である。

そもそも全国弁連が公表している「被害集計」自体、本当にそういう厳密な手続きを経て確定されたものなのか、自分は疑問を持っている。

詳しい資料は公開されていないから確かめようがないが、疑問を投げかけるにはそれなりの理由がある。

あらゆるメディアが、全国弁連のデータを何の検証もしないまま使っているのは、メディアの責任放棄ではないかとすら思う。

最後に、山口広弁護士自身、「旧統一教会問題はもう終わった」と認識していたことがうかがえる発言を出しておこう。

「消費者法ニュース」22年7月号(132号)で、山口弁護士は次のように書いている(ウェブ版より引用)。

消費者法ニュース22年7月号(132号)より

旧統一教会関連の相談は減りましたが、聞いたこともないミニ集団や個人教祖による被害相談が増大しており、弁連事務局では対応に苦慮しています。

弁連が紹介できるカウンセラーも極めて限られています。

相談内容も短絡的でご自身や家族がなぜこんなことにはまってしまったかについて自分を振り返る姿勢が欠けているような事例もある。

親が考える枠にわが子をはめこむことを当然と考えることを改めようとしない両親の話を聞いて、こんな親なら自立心のある子は親から逃げたくもなるだろうなあと思う件もある。

その逃げた先がもっとひどい人生におとし入れる組織だとはあまりにも悲しい。

以下はそのサンプルです。相談内容は多少改訂しています。また、そこに掲示した集団や個人が悪質と決めつけているわけではありません。

こんな組織や個人についての相談があったという事実をお伝えしています。

A 名古屋市内の茶道教室に通っていた30代の女性(相談者・・・

山口弁護士の関心の的が、旧統一教会から別の方向に向いていることが分かるだろう。

これが旧統一教会を取り巻く本当の現状なのである。そこには、教団の「解散命令」を請求すべきで、それをしないと大変なことになる、というような切迫感は全く見られない。

結局、山口弁護士ら全国弁連が「解散命令」請求を求めた今回の記者会見は、反統一教会世論の高まりを千載一遇のチャンスと見た政治的行動としか考えられない。