吊りしのぶ

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福田ますみ氏が統一教会「脱会説得」の実態(=拉致監禁)を暴く連載開始~月刊「Hanada」12月号/法廷陳述書を追記

月刊「Hanada」12月号(10月26日発売)が、紀藤正樹弁護士ら霊感商法対策弁護士たちや鈴木エイト氏、マスコミ、メディア等々が「旧統一教会信者に対する脱会説得」と呼んでいるものの実態を暴く連載を始めた。

執筆者はジャーナリストの福田ますみ氏。

まだ読んでいないから断定はできないが、「“脱会屋”の犯罪 ルポ統一教会①」というタイトルからしてまず間違いないだろう。

脱会屋とは、拉致監禁を肯定する脱会カウンセラーのことである。

「人権派弁護士」の正義の仮面がついにはがれ落ちる時がきた。

いや、そんなものはとっくにはがれているのだが、残念なことに世間にはまだ浸透していない。

仮面をはがすのに力のあったルポライターの米本和広氏は現役を引退してしまい、名著『我らの不快な隣人』(情報センター出版局)は品切れ状態、キンドル版でしか読めない。

決定的な証拠としては、紀藤弁護士らと一緒に霊感商法問題に取り組み、後にその運動から離れた伊藤芳朗弁護士(オウム裁判への取り組みで著名)の告発がある。

霊感商法対策弁護士らは「脱会説得」と称して拉致監禁が行われていたことを知っていた、容認していた、というものだ。

米本氏が安倍元首相死去後に立ち上げたブログに、伊藤弁護士の証言を載せた陳述書が公開されている。

yone56563.blog.fc2.com

上記陳述書の2の項に、

当職(注・伊藤芳朗氏)が米本氏にインタヴューを受けたことは間違いありませんし,陳述書(甲107)の内容も事前にお見せいただいて確認しております。陳述書の内容に間違いはありません。すべて,当職が経験したことを正確に書いていただいています。

とある。

その問題の「陳述書甲107」は、以下のブログで公開されている。

これを読んで驚嘆しない人はいないはずだ。そこには、昨今メディアによく出てくる霊感商法対策弁連の山口広弁護士について、こう書かれている。

――山口広弁護士は、宮村氏が拉致監禁説得をしていることを知っていましたか。

伊藤 もちろん!です。

宮村氏とは、脱会屋、脱会請負人、脱会カウンセラー等々として過去30年にわたって統一教会信者の拉致監禁を手掛けてきた中心メンバー、宮村峻(たかし)氏のこと。

立憲民主党が今回(8月18日)、統一教会の「被害」実態を調べると称して有田芳生氏同席のもと、ヒアリングした人物だ。

cdp-japan.jp

党旧統一教会被害対策本部(本部長:西村智奈美衆院議員)は8月18日、第7回会合を国会内で開催。

旧統一教会からの脱会を支援してきた宮村峻さんから、被害の実態と課題について話を聞きました。会合には、同本部特別参与の有田芳生さんが同席しました。

立憲民主党のホームページではこのように紹介され、民事裁判の2014年東京高裁判決で、拉致監禁に関与し棄教を強要した不法行為により1100万円の損害賠償を命じられた事実(2015年に最高裁が上告を棄却し判決確定)には一言の言及もない。

こんな話もある。さらっと話しているが、ちょっと頭を働かせれば事の深刻さがわかるはず。

伊藤 TYさん(「青春を返せ」裁判の原告)の父親が宮村氏の家に乗り込み、「娘の脱会は頼んだけど、あんたに娘を情婦にしてくれと頼んだ覚えはない」と怒鳴り込んだという話でしたね。

私が被害弁連に関わるようになった頃か、それ以前の話です。被害弁連や元信者の間では有名な話でした。父親が怒鳴り込んだとき、宮村氏の家に元信者がいたもんだから、噂はあっと言う間に広がったようです。

伊藤弁護士はまた、この拉致監禁の司令塔だった宮村峻氏と、自ら“人権派”と名乗り疑似科学のマインドコントロール理論をさも科学的真理のように吹聴しまくっている紀藤正樹弁護士が協力関係にあったことを赤裸々に語っている。

antihogosettoku.blog111.fc2.com

伊藤 宮村氏はこうした高額事件を特定の弁護士だけに、具体的な名前をあげれば紀藤正樹弁護士ですが、紀藤弁護士だけに回すということを行っていました。

しかし、我々は運動体としてやっていたので、こうした事件は全部一回、全国弁連に上げて配分すべきだし、一部の弁護士だけが潤っても後継者は育たないことから、私は抗議したこともありましたが、宮村氏はこうした主張には一切お構いなしでした。

――弁護士が潤うとは?

伊藤 損害賠償請求で勝訴すると、弁護士報酬が発生します。示談交渉が妥結してもそうです。そのことを「潤う」と表現したのです

この陳述書の効果もあってか、12年以上も監禁・軟禁されていた後藤徹氏は、民事裁判で「家族間であっても拉致監禁は違法」という最高裁判決(2015年)を勝ち取り、陰の首謀者と目される宮村峻氏は敗訴、損害賠償1100万円を支払う羽目になった。

判決内容は「被害者の会」が公開している。

kidnapping.jp

意外に思う人がいるかもしれないが、紀藤正樹弁護士がオウムのように繰り返す「マインドコントロール」なる理論も、日本の法廷では否定されている。疑似科学だから当然ではあるが。

こうした実績の積み重ねの上に、今度の福田ますみ氏のルポは新しい何かを積み上げることができるだろうか。

福田ますみ氏は「新潮ドキュメント賞」や「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞した経歴を持つジャーナリストだ。

「御用ジャーナリスト」とレッテル貼りされ誹謗・中傷されるのを覚悟して、よくぞ名乗りを上げたと思う。何よりその勇気に拍手を送りたい。

爆笑問題の太田光氏が「拉致監禁」に触れたとき、多くのメディアが「それは統一教会の言い分を代弁するもの」「統一教会を擁護するのか」と批判したが、代弁とか擁護とかバカなことを言うなと言いたい。

事実を事実として指摘することがなぜいけないのか? そもそも彼らは、拉致監禁体験者の話を聞いたのか? 聞いてなおそう思うなら、人間性の根幹が腐っているとしか言いようがない。

米本氏の『我らの不快な隣人』はキンドル版で読める。一番最初に体験手記を出した鳥海豊氏の『監禁二五〇日「脱会屋」の全て』(光言社)も品切れとはいえ、図書館に行けば読める。

(『監禁二五〇日「脱会屋」の全て』は読み物としても非常に面白く、衝撃的な事実が次から次へと出てきて読者を飽きさせない。これについては別の機会に書こう)

前者の『我らの不快な隣人』に登場するのは「拉致監禁」によって脱会した元信者たちだ。後者は、隙をついて脱出に成功した信者の手になるもの。

どちらの証言にもウソはない。なぜならウソをついて拉致監禁の実行者たちを非難すれば、名誉毀損で訴えられるからだ。だからウソは書けない。

一方、「拉致監禁」で脱会した信者の体験記もある。

その代表格が元新体操選手、山崎浩子さんの体験手記『愛が偽りに終わるとき』(文藝春秋)。

そこに仮に拉致監禁という事実があったとしても、本人が脱会してしまえば、(その人の拉致監禁に関する限り)教団としては沈黙するしかなくなる。なぜなら、脱会した元信者が「自分は拉致監禁されたのではない」と主張するからだ。

世の多くの人は、この山崎さんタイプの本しか読まないし、そもそもそういう本しかメディアは取り上げない。一般の人は拉致監禁から逃げ帰った信者の本など読まないだろう。

こうして、真実から遠い偏った見解、すなわち信者の救出とは「脱会説得」であり、「拉致監禁」なんかではない、という虚偽の風説が広まってしまった。

「拉致監禁」という刑法犯罪に長年手を染めてきた中心人物が宮村峻氏である。立憲民主党が彼をヒアリングに招いたと聞いた時は冗談かと思った。

彼は後藤徹裁判で民事とはいえ有罪となり、損害賠償の支払いを命じられた。過去30年間、黒を白と言いくるめてきた人物だ。

神をも恐れぬ所業を繰り返してきた人物に頭を垂れて話を聞こうというのだから、立民議員たちは悪魔に魂を売り渡したも同然である。

悪魔と手を組んだ者は必ずその代償を払わねばならない。天網恢々疎にして漏らさず。たとえ何年かかろうとも、虚偽の風説はいつかは消え去る運命にある。

福田ますみ氏のルポ発表はそのきっかけとなるに違いない。

「脱会説得」の実態は拉致監禁であり刑法の逮捕監禁罪にあたる、と確信する自分としては、これを機に真実が明らかになってほしいと願っている。

【追記1】

Hanadaプラスプレミアムでは、記事単位で買うこともできる(1本200円)。

【ルポ統一教会①】新聞・テレビが報じない“脱会屋”の犯罪|福田ますみ【2022年12月号】 – 月刊Hanada<プレミアム>

【追記2】

拉致監禁の具体的やり方を以下に公開する。また「拉致監禁しなければ脱会させられないのだからやむを得ない」という、時折耳にする開き直りがなぜ間違っているのかについても論じた。

tsurishinobu.hatenablog.com

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