吊りしのぶ

気の向くまま、思い付くままに。記憶にとどめたいoutputの場として。

健康的で清々しい宗教2世たち~熊本日日新聞が報道

熊本日日新聞10月30日(ウェブ版)に、旧統一教会2世信者3人のインタビューが載った。2世信者といっても被害者ではない。

kumanichi.com

統一教会の信者は全員マインドコントロールされた被害者だというのが全国霊感商法対策弁護士会連絡会(全国弁連)の歪んだ認識だ。

彼らは弁護士でありながら「信教の自由」の価値を踏みにじって恥じない、心のねじ曲がった連中だ。

記者会見で「統一教会は100%の悪だ」と啞然とするようなことを言った郷路征記弁護士のような人物までいる。

「霊感商法」の原告勝訴の判決でさえ信者の「信教の自由」を認めているのに、信者全員を教団にマインドコントロールされた被害者扱いするとは、言語道断だ。

tsurishinobu.hatenablog.com

彼らのこうした心ない言動が、どれだけ信者たちを傷つけ、その人権を侵害してきたことだろう。

全国弁連の自称人権派の弁護士たちに良心があるなら、「存在を否定されていると感じる」という彼らの心の声に耳を傾け、「自分たちのやっていることは本当に正しいのか?」と静かに内省の時を持つべきだろう。

リードと冒頭部分を引用しておく。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の合同結婚式で結ばれた両親の間に生まれた県内在住の2世信者3人が、熊本日日新聞のインタビューに応じた。教団内では「祝福2世」と呼ばれる30歳男性と26歳女性、23歳女性。安倍晋三元首相が銃撃された後の報道を目にすると、「自分の存在が否定されている気がする」という。(地域報道本部取材班)

 ―銃撃後、教団は厳しい批判を受けています。

 23歳女性「心配する連絡が友人からあった。報道される教会の姿は、自分の知っている教会とかけ離れていて悲しい」

 26歳女性「全然そんなことないのに、ひどく言われているなという印象だ。私はカルトだとは思っていない。ただ、元信者の方々がそう感じたのならそうなのかな、とも思う」

 30歳男性「報道を見ると、自分は教会に利用されてきた被害者なのか、という気になってしまう。自分が世間から反社会的な存在と見られているかのようだ。社会を良くしたいと心の底から思っているのに、それが悪く見られるのは残念だ」(熊本日日新聞10月30日)

被害を訴える宗教2世の中にも「統一教会を解散して!」などと言う人がいるが、少しは「信教の自由」について学んだほうがいい。

当然のことながら、信者の親から受けた教育を素直に、あるいは葛藤しながら、前向きに受け入れた宗教2世もいる。

熊本日日新聞は、初めてそういう2世たちの声をすくい上げてみせた。

教団の解散はそれら「被害」とも「加害」とも無縁な信者たちに著しい苦痛をもたらすとは考えないのだろうか?

家庭で虐待を受けて育った子どもが、「こども家庭庁」という名称は「家庭」が入っているから嫌だ、「こども庁」にしてくれ、と言うのに似ている。

自分が嫌だからという理由で、国は自分の感情に全面的に配慮すべきと主張するのは、利己的だ。

施策の対象は虐待を受けた子どもだけではなく、あらゆる子どもを包含する。そして子どもは両親のもとで育つのが望ましく、親には子どもを健全に育てる責任があるのだから、子どもと家庭は切り離せない。

名称は「こども家庭庁」となるのが自然で、施策は親の子育てのあり方にも踏み込むことになる。虐待を予防するには、どうしたって子育てのあり方を問わざるを得ないからだ。

別の見方をすれば、こうも言える。家庭で虐待を受けた子どもが、「家庭があるから虐待が起こる。家庭なんかなくしてしまえ」と言ったらどうなるか。

虐待を訴える宗教2世の「統一教会を解散して!」という訴えは、これと同じような錯誤である。

統一教会があるから虐待が起こるわけではない。そんなのは自明ではないか。

親が未熟でそれを教団が適切に指導できないとき、虐待は起こり得る。しかし、親が未熟でも教団が適切に指導できたときは虐待は防げる。

また、愛情豊かな子育てができれば、教団の指導がどうあれ、子どもが虐待を受けることはない。

宗教を持つ信者は子どもに宗教を相続させたいと願い、そして子どもに宗教教育を施すことは親の普遍的な権利として国際的に認められている。

親の宗教教育がみな虐待につながるなら、キリスト教もユダヤ教もイスラム教も仏教も、とっくの昔に地球上から消えていただろう。

「宗教2世は異常な教育を押し付けられ、虐待を受けた被害者」という決めつけほど、国際常識に反するものはないのだ。