旧統一教会の関連団体、勝共連合が今月に入って街頭演説をスタートさせていた。
自民党から関係を断絶され、もはや青息吐息、抗議の声も上げられないほどへたっていたのかと思いきや、同連合副会長の渡辺芳雄氏の演説は力強さに満ちていた。国家的危機を憂う気持ちがビンビン伝わってきた。
こういう人物こそ自民党に必要ではないか。こういう団体こそ自民党の応援団にふさわしいのではないか。
自民党と勝共連合は長年癒着してきたとか、勝共連合は旧統一教会のダミー団体だとか、全くバカげた批判であり、下らない言いがかりだ。
勝共連合なくして、日本は東西冷戦を勝ち抜くことはできなかっただろう。
金日成存命の頃、北朝鮮がいつ再び韓国を侵略するか分からないという緊迫した極東情勢において、日本の左派リベラル派は軍事独裁政権の韓国を批判ばかりしていた。
北朝鮮は38度線の真下に何本ものいわゆる「南進トンネル(=韓国へ向けて地下から兵力を送り込むためのトンネル)」を掘っていたというのに。
朝日新聞などは、なぜか北朝鮮を「地上の楽園」と呼んで称賛した。
左派リベラル派は、国家の生存のために、やむなく民主化を抑え込まざるを得なかった韓国の特殊事情を理解しようとしなかったのだ。
そんな中で、ソ連と北朝鮮、中国の脅威に対抗するため、日本、韓国、中華民国(台湾)、アメリカの連帯を訴え、スパイ防止法や9条改憲の必要性を説いてきたのが勝共連合である。
1972年の日中国交正常化の際は、田中角栄内閣の「台湾切り捨て」(台湾との断交)に強く反対し、福田赳夫ら親台湾派を応援したのは有名な話だ。
その後中国は覇権主義の軍事大国となり、我が国の領土(尖閣諸島)を脅かし、台湾統一のためなら武力行使も辞さずという態度をとるようになった。
今や「台湾切り捨て」という日本政府の選択が誤りだったことは明白だろう。それは逆に、勝共連合の当時の訴えの正しさを見事に証明している。
初代会長の久保木修己氏はまた、韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領や中華民国の蔣介石総統とも会見した。
下の年表で東西冷戦時代のところを見ると、その頃の勝共連合の奮闘ぶりがよく分かる。冷戦終焉に果たした彼らの役割を我々は決して忘れてはならないと思う。
国会議員は、選挙に落ちればただの人。どうしても世論におもねり、大衆迎合のポピュリズムに陥りやすい。
ともすれば、結党の精神を忘れて、左派リベラルに傾きがちになる自民党を、こういう芯のある団体が応援し、支えてきたからこそ、自民党は政権政党であり続けることができた。
動画を見始めて、たちまち引き込まれ、最後まで見てしまった。我知らず背筋がピーンと伸びてくる、気迫のこもった街頭演説だ。
テレビ等で、したり顔でこの国の政治を語り、多数世論におもねり、政治家の揚げ足を取っては悦に入っている連中は、この動画を見て襟を正すべきだろう。