吊りしのぶ

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「冬ソナ」の聖地、龍平リゾートが統一教会にもたらした利益は「計り知れない」~AERA2007年11月19日号

メディアでは「韓国の統一教会を維持する資金の大半は、日本の信者からの献金だ」などとまことしやかに言われているが、本当なんだろうか?

調べてみると、韓国では文鮮明教祖の死の前後から教団が分裂を始め、3男の文顕進氏は家庭平和協会を設立、宗教部門の後継者に指名された7男の文亨進氏は世界平和統一正殿(サンクチュアリ教会)を設立した。

要するに、子供たちは統一教会と袂を分かったのである。

ソウルの一等地を巡って裁判沙汰となり、統一教会側が敗訴して莫大な損害賠償金を払う羽目になったとか、いろいろな情報がある。

なんだか複雑で自分にはよくわからないが、少なくとも、韓国の教団本部が日本からの資金に全面的に依存しているとは言えないと思う。

なぜなら、韓国では関連企業が収益を上げており、そこから多額の献金を得ていると考えられるからだ。

uc2.hatenablog.com

韓国在住経験のある宗教2世のららラさんのブログには、次のような記述がある。

韓国の統一教会は、韓国の芸術系中学・高校の中でナンバー2に位置づけられるエリート学校(仙和芸術中学・高校)や、非信者が多く通う大学(鮮文大学)を運営していたり、韓国のサッカー連盟の会長に統一教会の幹部が任命されたこともあったり(当時、統一教会幹部であった郭錠煥は、20052010年に韓国プロサッカー連盟会長を務めた)、有名企業(一和など)も経営していたりと、社会の様々な部分で影響力があります。

「有名企業(一和など)も経営」だけでは情報が足りないので、「など」の部分も書いてくれるといいのだが。

ららラさんは触れていないが、韓国で統一教会系企業として有名なのは、龍平(ヨンピョン)リゾートだろう。統一教会が所有し、韓国有数のスキー場もある。

平昌オリンピックでは公式競技場に使われ、韓流ドラマ「冬のソナタ」のロケ地としても知られている。「冬ソナ」ブームの時は日本からファンが押し寄せ、すごかったらしい。

今年の7月以来、統一教会の関連団体はみなブラックとされ、過去に関連団体と一度でも接点や接触を持った政治家は「統一教会とずぶずぶだ」と批判された。

自民党の政治家は、アメリカの統一教会系日刊紙「ワシントン・タイムズ」に意見広告を出したというだけで、「ずぶずぶリスト」に載せられる始末。

政治家たちに「統一教会ならびに関連団体との関係を断て!」と要求したのはマスコミだが、そうなると自分たちにもブーメランが飛んでくる。

多くの新聞が、関連団体(例えば世界平和女性連合やピースロードなど)の活動を好意的に取り上げていた過去が発覚し、批判を浴びた。

そこで、龍平リゾートである。「冬ソナ」ブームの時、多くの日本人がこの統一教会関連施設を訪れて、そこでお金を落としたわけだが、そのことを批判したマスコミはあったのだろうか?

全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は、

「日本の『冬ソナ』ファンが龍平リゾートに押し寄せると、龍平リゾートのオーナーである統一教会にお墨付きを与えることになるから行ってはならない」

と声明の1つも出しただろうか?

そんな話は聞いたことがない。

しかし彼らの論理によると、統一教会の関連団体と関わりを持ったり、マスコミが好意的に取り上げたりすると、統一教会にお墨付きを与えることになり、統一教会が勧誘をやりやすくなって被害者が増える。

だから、関わりを持ってはならないし、マスコミも取り上げてはならない、というのが彼らの主張のはずだ。

なぜ全国弁連は、龍平リゾートに押し寄せる日本人ファンやそれを報じるマスコミに警告を発しなかったのだろう。

彼らは統一教会の関連団体として、「ワシントン・タイムズ」の名前は挙げても「龍平リゾート」の名前は出さない。見事なダブルスタンダードである。

既に韓国でも日本でも有名で、マイノリティーではなくマジョリティーの側に入っているから批判はしない、ということだろう。

彼らが批判するのは、マイノリティー側の団体ばかり。叩いても反発が起きないようなところばかりを選んで叩くのだ。

差別意識丸出しと言っていい。

このマジョリティー側に入った龍平リゾートを取り上げたのが、AERA2007年11月19日号である。

本国・韓国でのビジネスは絶好調だ。

「統一教会メッカ」(引用者注・統一教会の聖堂のあるところ)から車で約30分走ると、あの「冬のソナタ」で有名になった江原道春川(チュンチョン)市にたどり着く。

春川には75年に韓国初のスキー場としてオープンし、ホテルやゴルフ場も備えた総合レジャー施設の龍平(ヨンピョン)リゾートがある。

2003年2月、龍平リゾート社は親会社の経営不振で株の約91%を1900億ウォンで売却、買ったのは統一教会系の世界日報(セゲイルボ)社だった。

02年に韓国で放映された「冬のソナタ」だが、NHKBS2で放送が始まったのが売買直後の03年4月。じわじわと人気が出ていたが、04年4月から地上波で放映され、主人公のペ・ヨンジュンが来日すると、日本で一大ブームを巻き起こした。

ファンの日本人女性目当ての韓国ツアーが次々と企画され、龍平リゾートも当然そのコースに組み込まれた。ペ・ヨンジュンとチェ・ジウが茶を飲んだコーヒーショップや2人が夜を過ごしたレストランに観光客が押し寄せ、ドラマと同じポーズを取った。

04年3月にはパク・ヨンハら「冬ソナ」の出演俳優とプロデューサーが顔を揃えたイベントも開かれ、名場面を観客と鑑賞したりした。

「冬ソナ」が、龍平リゾートにもたらした利益は計り知れない。

「主に日本人観光客が龍平リゾートにもたらした計り知れない利益」の一部は、当然、統一教会や関連団体に流れたはずだ。しかし、AERAの記事にそれを批判するような文章は見られない。

それどころか、AERAはこんなことを書いて、統一教会に事実上の「お墨付き」を与えている。

「キリスト教徒が3割を占める韓国で統一教会は異端の存在だ。しかし、日本ほど社会悪とは見られていない。霊感商法は韓国ではほとんどないと聞く。むしろ文教祖を宗教ビジネスの成功者とみる向きも少なくない」(関係者)

韓国で関連企業が大きな利益を上げているのだとすれば、日本の信者からの献金に頼る必然性はない。

「韓国の教団は日本の信者からの献金で維持されている」などと言うのは、一方的な決めつけであり、「植民地支配の罪を償うため日本人が韓国人に奴隷のように使われ収奪されている」という反日カルト団体のイメージに合わせた作り話ではないだろうか。

 少なくとも、「冬ソナ」ブームで潤っていた頃は、日本からの献金に依存する必要はなかったはずだ。