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旧統一教会信者が富山市を提訴。「関係断絶」決議の取消し求める。原告代理人は保守派の硬骨漢、徳永信一弁護士

とうとう現役の信者が声を上げたようだ。何事も先陣を切るのは勇気がいる。

原告代理人は保守派の徳永信一弁護士。

沖縄集団自決訴訟、朝鮮総連租税減免取消訴訟、孔子廟訴訟、琉球新報言論封殺訴訟、靖国訴訟(補助参加)などを手掛けた戦う弁護士だ。

評判の悪い宗教の信者の代理人を務めれば、非難の矛先は自身へも向かう。その意味でジャーナリストの福田ますみさん同様、大変勇気のある方で感じ入った。

テレ朝ニュース22年12月16日より

マスコミ・霊感対策弁護士会・世論・公権力の一方的な魔女狩り、すなわち「統一教会をつぶせ」「統一教会をちょっとでも擁護する者は敵だ」の大合唱の中で訴訟を起こすのは大変なことだ。

しかし、もはや魔女狩りをやめさせるには、法廷の場で彼らの不当性を明らかにする以外ない。今の多くの日本人は「信教の自由」など眼中にないからだ。

news.tv-asahi.co.jp

www3.nhk.or.jp

ことし9月、富山市議会が「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会や関係団体と一切の関係を絶つ決議を可決したことについて、旧統一教会の信者が「信仰を理由にした不当な差別的扱いを受け、精神的苦痛を受けた」と主張して、富山市に対し決議の取り消しと慰謝料などを求める訴えを富山地方裁判所に起こしました。

富山市議会はことし9月、「旧統一教会および関係団体と一切の関係を断つ決議」を全会一致で可決しました。

旧統一協会の信者の男性は、富山市に対して決議の取り消しと慰謝料など350万円の賠償を求めています。

旧統一協会の信者の男性と弁護士は、16日に富山市で記者会見し、男性が決議の取り消しを求める請願を行うために必要な紹介議員となってほしいと複数の市議会議員に依頼したものの、決議を理由に断られたと説明しました。

これによって請願権を侵害され、信仰と信条を理由とする不当な差別的扱いを受け、精神的苦痛を受けたと主張しました。

男性は「富山市の議会ではすべての市民に中立公平で平等であってほしい。意見する場を取り戻したい」と訴えました。

また、弁護士は「請願権は政治参加という民主主義の根本的な権利で宗教や信条を理由に差別してはならない」と訴えました。

自分は部外者だが、この男性を支持し、旧統一教会への宗教迫害に断固として反対する。

富山市議会の「旧統一教会及び関連団体と一切の関係を断つ決議」(PDF)は公開されている。

富山市議会がこんな変な決議を採択したのは、元はといえば自民党、もっと言えば岸田文雄自民党総裁に原因がある。

自民党は「旧統一教会とその関連団体との断絶方針」を撤回すべきであり、文科省も(行使してしまった「報告徴収・質問権」はもう仕方ないが)解散命令の請求を断念すべきだ。

今回の提訴には伏線があった。13日付けで産経ニュースが報じた。

www.sankei.com

記事には、

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関係者とみられる個人や団体が複数の地方議会や首長に「特定宗教との関係を遮断する内容の宣言や決議をしないこと」を求める陳情書や要望書を提出していたことが13日、議会関係者への取材で分かった。

議員を含む公人や私人に「特定の宗教に対する信仰の有無を問うたり、団体との関係を調査・質問したりしないこと」も求めている。

とある。

産経が確認した自治体は、栃木(県と県内23市町議会)、福岡(県議会や知事の他、少なくとも福岡、大牟田、久留米、八女の各市議会)、熊本、大分の各県だ。

熊本市議会宛ての陳情書では、今年9月に富山市議会で旧統一教会や関連団体との一切の関係を断つとした決議に触れ「思想、良心の自由、信教の自由に対する侵害」と指摘。

宗教を理由とする差別であり、法の下の平等に違背するとしている。

信者たちは、富山市議会の「断絶決議」が全国に広がるのを阻止しようとしたのだろう。

阻止できずに決議が通った場合、旧統一教会信者は「民主主義の学校」とも言われる地方自治に関わる道を断たれる。

これは特定宗教をターゲットにした差別であり、訴訟提起は当然だ。

信者であれ宗教法人であれ、政治活動の自由は認められている。政教分離に違反するものではないのだから、泣き寝入りするか、裁判に訴えるか、2つに1つしか道はない。

マスコミは一方的な情報と露骨な誹謗中傷を垂れ流すだけで、もはや中立性は期待できない。今のマスコミは戦前、戦争を煽りに煽って政府に圧力をかけた当時と同じで、理性ではなく情緒で動いている。

彼らの言う「多様性の尊重」は単なるポーズだった。「同調圧力が人の生きづらさの原因」とする日頃の主張も口先だけだった。

反権力と権力監視が謳い文句のくせに、こと旧統一教会問題になると、権力批判は一切なし。それどころか自ら権力の暴走をけしかける始末だ。

日本のマスコミのレベルの低さにはほとほとあきれ果てた。

だからといって日本の司法が期待できるかというと、これも怪しいのだが、ともかく今はそこに望みをつなぐしかないのだろう。

後に続く者が全国から出てくることを期待したい。

tsurishinobu.hatenablog.com