昨年12月16日に富山市を提訴した原告・安田慎(まこと)氏の記者会見動画を見ながら、カメラマンの動きが気になって仕方なかった。
常識的に理解しがたい実に奇妙な動きをするのだ。しきりに安田氏の手元や机の上を狙ってシャッターを切っている。
会見している原告のすぐ脇までにじり寄って撮影する必要があるんだろうか? 原告に対して失礼ではないか。
声明文を読み終えた後も、原告の真横で写真を撮っているカメラマンがいた。
机の上をよく見ると原告の私物のスマホと手帳らしきものがある。どう見ても、それを狙ったとしか思えないシーンがあるが、これは何を意味するのか?
【1】これは声明文そのものを撮っているんだろう。しかし、あまりに露骨すぎないか。ほとんど接写と言っていい。原告の許可は取ったのだろうか?
【2】声明文を持つ原告の手元を撮っているようだ。1と同じカメラマン。「富山新聞」の記者証が見える。
【3】真横で斜め上から原告の手元や声明文を撮っている。ぶら下げた記者証には「北日本新聞」の文字が。
【4】さらに原告に接近し、上からのぞき込むようにカメラを構える北日本新聞の人。こんな写真撮って新聞・ウェブに掲載できるのか?
【5】声明を読み上げた後のシーン。机の上に私物のスマホ(オレンジで囲んだ)と手帳らしきものが見える。3、4と同じ人物がカメラをそのやや左側、マイクの方に向けている。
【6】これはすぐ次のシーン。カメラの方向が右にシフトし、字幕で隠れているが、机の上の私物スマホ(または手帳)を狙っているように見える。
以上。
もしカメラマンが原告の私物のスマホ画面を撮影していたのなら、これはプライベートな領域への侵入ではないだろうか。
記者会見の場に出てきたのだから、原告の何を撮ってもいいということにはならないはずだ。
この距離でスマホ画面を撮れば、プライベート情報を写すことも可能だ。会見中に、ラインで原告を応援するメッセージが届いているかもしれない。
1~6のうち、新聞やウェブ掲載用として使えそうな写真は2ぐらいではないか。
これは、原告が右手でマイクを持ち、左手に声明文を持って読み上げている写真として新聞に載ってもおかしくない。
しかし、1の接写など原告に対して失礼だし、声明文に何か個人的なメモ書きでもしていたら、それが盗み見られることになりかねない。
ここまでカメラマンに近づかれたら、普通の人は相当気になるはずだ。声明を読み上げることに気持ちが集中できなくなる可能性もある。
自分なら「おたく、こんなに近づいて何してるんですか? 気が散るから離れてくれよ」と言うだろう。
そもそもこの男性カメラマンは、原告が女性でもこんなに近寄って撮影するんだろうか?
3~6は撮影意図が分からない。
3、4は、あんな高い位置から原告の肩越しに、声明文が丸ごと写るように撮ってもも、撮影角度が不自然だから新聞・ウェブには使えないはずだ。
5は、マイクなんか撮っても意味がない。
6は、もちろん推測の域を出ないとはいえ、もし私物のスマホ画面を撮っているのだとしたら倫理的に問題がある。別の何かを撮っていたとしても、この角度で撮影した写真を一体何に使うんだろう?
実際の記者会見動画がこれ。