山上徹也容疑者の長い鑑定留置が終わり、検察が殺人罪、銃刀法違反罪で起訴した。
一方で、減刑署名提出の動きなどが見られるが、ふざけるなと言いたい。
山上容疑者自身、安倍元首相を殺害すれば世間の非難が旧統一教会に向かうという趣旨の供述をしているではないか。そのことは、容疑者が、
母親が高額献金で自己破産し、自分も生活苦に悩まされたが、その原因は統一教会にある。悪いのは統一教会であって、自分ではない。
と考えていたことを意味する。
世間の非難は自分ではなく統一教会に向かい、自分には同情が集まると見越していたわけだ。
そこまで読んだ上で人の命を奪った知能犯なのに、減刑嘆願とは何事か。
まさに容疑者の思うつぼ。山上容疑者の自己保身に手を貸してやることにほかならない。減刑嘆願した連中は、自分が何をしているかわかっているんだろうか。
本来狙ったのは韓国の教団トップだった。しかし、それがかなわないからと、全く関係ない人物、しかも日本の元宰相、内外の評価も極めて高い「日本の宝」とも言うべき人物を殺害した罪は、憎んでも余りあるものだ。
日本ではこういう時、「八つ裂きにしても飽き足らない」という言葉を使う。もちろん比喩だが、山上容疑者が受けるべき刑を表現するのに、これほどふさわしい言葉はない。
減刑などすれば、「理由さえあれば人を殺してもいい」という理屈を認めることになる。
いや、「理由さえあれば、自分が憎んでいる相手ではなく、その相手にちょっとでも関係した人間がいれば、その人間を殺してもいい」という、とんでもない理屈が幅を利かすことになる。
どんな理由があろうと人の命を奪うなどとんでもないことだ、と我が国では教えられてきた。
マスコミも著名人も一般の人も、中でもリベラル派はそう主張してきたはずだ。
それが行き過ぎて極端に走り、「自衛戦争で人を殺すことも許されない」とすら主張してきたのがリベラル派だ。
それなのに、今回の事件では一転して、
- 「(安倍元首相は)疑惑を晴らしてから死ねよ!」(落合恵子)
- 「昭恵の店の前で殺されればよかった」(国葬反対集会での会場の女性の発言)
- 「安倍が死んでよかった」(団塊の世代に多いらしい)
- 「世直しとして機能している」(社会学者・宮台真司)
- 「知ったときは思わず、でかしたと叫びました」(漫画家・石坂啓)
等々、信じがたい狂気の発言があふれ、マスコミはそれをたしなめることもしない。
電光石火核武装 on Twitter: "「アベは昭恵の店の前で殺されればよかった」発言の後に、会場に笑いがおこる。こいつら蛆虫以下や! まさに『人』でなし。クズ" / Twitter
【回顧2022】安倍氏の暗殺後に日本は〝タガが外れた〟容疑者モデルの映画、朝日新聞の姿勢は非常識 「言論を暴力で封殺する社会」許すな 岩田温氏(2/2ページ) - イザ!
全く無関係で、何のつながりもない安倍元首相を計画的に殺害し、同情が集まって死刑にならないと計算して犯行に及んだ山上容疑者に対し、減刑を求めるなど言語道断で許しがたい。
そんな連中には、ふつふつと湧き上がる怒りと憤怒の念を禁じ得ない。
安倍元首相と旧統一教会を結びつけて山上容疑者を擁護する者は、殺人を正当化しているのと同じだ。
2000年頃の山上容疑者の母親の自己破産に、安倍元首相が一体どんなふうに関わったというのか? 山上容疑者の母の高額献金に安倍元首相が関わっていたという証拠でもあるのか? あるなら出してもらいたい。
山上容疑者の伯父は、
「(徹也は)生活だけではなくて、命まで奪われかけた。普通に見たら、母が統一教会に納めた金が安倍に流れていると、そうなりますわな」
と週刊新潮で暴言を吐いていた。
これを妄想と言わずしてなんというのだ。「普通に見たら」そんなことあるわけないだろう。弁護士なら証拠を出してから言え!
この伯父は、山上容疑者の身内としてマスコミの前に出てくるなら、まずは安倍氏の遺族に容疑者に代わって誠心誠意謝罪するのが先だろう。
それをしない、する気もないというなら、「引っ込んでろ」と言いたい。
安倍氏は2006~07年の第1次政権当時、旧統一教会からのアプローチを全て拒絶していたと反安倍の有田芳生氏でさえ証言している。
まして、安倍氏が旧統一教会の献金勧誘に関わっていたとか、広告塔になっていたとか、デタラメを通り越して都市伝説のたぐいの話だ。
第2次政権でも、事情は変わらない。
安倍氏がUPFに動画メッセージを送ったのは、トランプ氏が出るからお付き合いしただけのこと。そしてメッセージを出す以上、その団体のトップに敬意を表するのは儀礼上、当たり前のことだ。
安倍氏が関連団体に動画メッセージを出したことが問題というなら、小泉純一郎首相が2002年の訪朝前に「統一教会の大幹部」を(官邸に?)呼んで話を聞いたことは、もっと問題ではないか。
こちらは関連団体ではない。教団そのものと現役の総理大臣が関係を結んだことを意味する。
小泉純一郎氏がよくて安倍氏がいけない理由は何か?
UPFのイベントは朝鮮半島問題の平和的解決を模索するものだったが、対北朝鮮強硬派のトランプ氏やポンペオ元国務長官、ペンス元副大統領がメッセージを寄せた。
UPFが反共、勝共でありながら、北朝鮮とパイプのある統一教会の関連団体だからこそ、彼らは動画出演したものと思われる。
つまり、そのメッセージは間接的に北朝鮮の金正恩へ向けたメッセージでもあった。安倍氏としては、UPFルートから北に関する何か情報が流れてこないかという期待もあっただろう。
一方、日本のUPFのトップが内部でペラペラ喋ったところによると、UPF側は安倍氏の前に3人の元首相にアプローチし、そのうちの1人は「玄関先を入ってあと一歩」(比喩的表現)のところまで話が進んでいた。
その人物が引き受けていたら安倍氏がメッセージを送ることはなかったはずだ。これはUPFにとって、安倍氏よりも優先順位の高い人物がいたことを意味する。
にもかかわらず、いつのまにか安倍氏は「統一教会とずぶずぶの関係」にあったと断定されてしまった。
三浦瑠璃氏の言う通り、安倍氏は死人に口なしをいいことに二度暗殺されたのである。
セカンド・レイプが許されないのなら、セカンド・アサシネーション(暗殺)も許されない。
「セカンド・レイプは許されない」と思う人は、一切、山上容疑者を擁護すべきでない。
減刑署名などやっている連中は、呼びかけ人も署名する人間も恥を知るべきだ。