吊りしのぶ

気の向くまま、思い付くままに。記憶にとどめたいoutputの場として。

朝日新聞は日本企業に韓国の財団への自発的寄付を要求する前に、率先垂範で自ら1億円ぐらいドーンと寄付したらどうか

韓国の旧朝鮮半島出身労働者の問題で尹錫悦政権が公表した解決策が動き出した。韓国鉄鋼大手のポスコが政府傘下の財団に40億ウォン(約4億円)寄付したという。

結構なことだ。

報道によると、2018年の韓国大法院判決の原告は、亡くなった人の遺族を含め37人いるそうだが、賠償金と遅延利息の合計額は約40億ウォンである。ということは、ポスコの寄付額で全額まかなえるではないか!

ほかにも韓国電力公社、韓国道路公社、タバコ関連企業のKT&Gなど韓国企業16社が寄付する予定というから、別の裁判で勝訴した原告に支払うお金もそれでまかなえる。

日本企業が寄付しなくても財団が支払いに困ることはないし、そもそも日本企業が寄付する義理は全くない。日本側は黙ってみているだけでいい。

world.kbs.co.kr

www.sankei.com

ところが、国内には、「日本企業が自発的に寄付すべきだ」と主張するメディアがある。言わずとしれた日本を代表する反日自虐史観の全国紙、朝日新聞だ。

この新聞は、安倍元首相がもはや反論できないのをいいことに、韓国に断固たる態度を取ってきた安倍政権を槍玉に上げて「事態をこじらせた」などと非難している。

挙げ句の果てに、

安倍氏が2015年に出した戦後70年談話も、過去への反省を示した村山談話や小泉談話を「引き継ぐ」としたものの、当の日本が植民地支配の加害者であるという視点が希薄で、韓国側の不信感は深かった。

と安倍談話(戦後70年談話)をくさした。

www.asahi.com

日本の植民地支配に加害も被害もない。国際法上、正当な手続きで併合条約を結び、日本は大韓帝国を併合した。事実はそれだけである。

日本の統治下で一部、行き過ぎた行為があったのは事実だが、だからといって植民地支配そのものが加害であったと言うのは倒錯した歴史認識であり、それこそ正真正銘の反日史観、韓国中心主義である。

朝日新聞は、長年の謝罪外交との訣別を目指した安倍談話の意義を一顧だにせず、「韓国側の不信感は深かった」として韓国の立場で社説を書いた。事態をこじらせたのは文在寅政権であり、日本側に非はないにもかかわらず、まるで日本に責任があるかのように言いつのるのが朝日新聞だ。

腐りきったこの新聞を自分は心底軽蔑する。つい先日、新聞販売店の営業マンが朝日の勧誘にやってきたが、「あんな偏向した新聞、見るのも嫌だ」と言って追い返した。

日本が半導体の原材料3品目の輸出規制を強化したのは、韓国側の管理がずさんだったからで、大法院判決を放置する韓国への報復措置ではない。報復措置ではないが、報復だと匂わせたところに安倍政権の外交の巧みさがあった。

安倍政権が歴代政権と違って強硬姿勢を貫いたからこそ韓国は事態の重大性を認識したのである。

日本が下手に出ていれば、親北反日の文在寅政権は、原告が差し押さえた日本企業の資産の現金化も容認したのではないか。どんな理不尽なことをしようと、日本は絶対に報復するようなことはしないだろうと甘く見て。

朝日は、この期に及んでまだ謝罪だ、反省だ、おわびだと言っているのだから呆れてものも言えない。

誤解があるようだが、岸田政権は今回の韓国政府の措置を評価はしたものの、謝罪も反省もおわびもしていない。ただ「歴代内閣の談話を全体として引き継ぐ」と言っただけである。

朝日やNHKをはじめ多くのメディアが、岸田内閣が歴代内閣の「痛切な反省とおわび」を引き継いでいるかのように報じたけれど、岸田首相も林外相もそんなことはひと言も言っていない。

最初、自分は岸田内閣がまんまとしてやられたのかと思って腹が立ったのだが、よく考えてみると、日本側は謝罪に類する言葉は一切言わず、ぎりぎりのところで踏みとどまった。

www.mofa.go.jp

林外相は3月6日の記者会見で、反日自虐史観むき出しの記者の誘導質問をさらりとかわして、「反省」「おわび」の語を口にしなかった。

【記者】韓国政府は解決策を示すにあたり、日本側に誠意ある措置を求めていましたが、日本政府として植民地支配や侵略への「反省」や「おわび」を表明した総理大臣談話についても継承する立場を表明する方針でしょうか。

【林外務大臣】日本政府は、199810月に発表された「日韓共同宣言」を含めて、歴史認識に関する歴代内閣の立場、これを全体として引き継いでいます。

韓国側が「痛切な反省とおわび」の表明があったと解釈したければ、勝手にすればいい。しかし、日本政府は「歴代内閣の談話を全体として引き継ぐ」としか言っていない。歴代内閣の談話の中には安倍談話も入っていることを忘れてはなるまい。

本当は「歴代内閣の談話」ではなく「安倍談話を引き継ぐ」と言うべきだった。そう言えなかったところに岸田内閣の弱さがある。

岸田首相は安倍政権の外相として、安倍談話の意義と価値をもっともよく知る立場なのに、苦労に苦労を重ねて作り上げたあの談話の立ち位置から後退したのは、かえすがえすも残念だった。

しかし、新たな謝罪、反省、おわびの言葉の表明を拒否したところは、かろうじて合格点だったと思う。

さて、朝日新聞は韓国政府傘下の財団に日本企業も自由意思で寄付しろと社説で書いた。

www.sankei.com

朝日新聞社は、内実はともかく、外形的にはれっきとした日本企業である。他社に厚かましい要求をする前に、率先垂範で自ら1億円ぐらいドーンと寄付したらどうなんだ。

社員の賃上げを据え置き、経営陣の報酬を削減してお金を捻出し、韓国の原告に対し朝日新聞社として「痛切な反省とおわび」の気持ちを表明すればいい。