吊りしのぶ

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『間違いだらけの「マインド・コントロール」論』(賢仁舎、魚谷俊輔著)は紀藤正樹著『マインド・コントロール』(アスコム)を完膚なきまでに批判

1,『間違いだらけの「マインド・コントロール」論』(賢仁舎)の第2章は紀藤正樹著『マインド・コントロール』(アスコム)を完膚なきまでに批判

アマゾンで注文した『間違いだらけの「マインド・コントロール」論』(魚谷俊輔著、賢仁舎刊行、1320円)は12日到着予定と時間がかかるため、どうしたものかと思っていたが、別のネットショップに注文したら意外と早く届いた。【4/10深夜追記:アマゾンは予定より早く10日に到着した】

全部読み終えたら感想を書きたいが、紀藤正樹弁護士の『決定版マインド・コントロール』(アスコム刊行)を批判した第2章だけならすぐ読める。

この本がいかにいい加減な内容で、デタラメで、真っ赤なウソもふくまれているかが明快に解説されている。

2,2012年の「オセロ中島知子さんの洗脳・マインドコントロール騒動」で“活躍した”紀藤正樹弁護士

2012年のオセロ中島知子さんの洗脳・マインドコントロール騒動の時、紀藤弁護士が「中島さんはマインドコントロールされている」とワイドショーなどで吹聴していたことを覚えている人もいるだろう。

数年後に明らかになったように、中島さんは洗脳もマインド・コントロールもされていなかった。彼女自らそういう発言をして芸能界に復帰し、同時に、デタラメな報道を行ったメディアを片っ端から訴えていった。

3,メディアは自分に都合の悪いことは報じない~共同通信と「桜ういろう」問題

その結果は、メディア側にとっては極めて都合の悪いもので、そのせいかまともに報道されていない。メディアは自分に都合の悪いことは報道しないのである。

最近のいい例が、ツイッターで共同通信名古屋社会部デスクの身分を隠して、ウクライナ系のナザレンコ・アンドリー氏はじめ保守系識者をボロクソに誹謗中傷、侮蔑しまくっていた「桜ういろう」なる人物だ。

既にネットでは実名も暴かれているようだが、この事件がテレビ報道や全国紙、地方紙などのマスコミで大きく報道されたかといえば、そういう事実はない。

日本を代表する通信社のデスクが、左翼イデオロギー(極左と言う人もいる)を持っているのだから、当然、その配信記事も左翼イデオロギーに都合のよい内容に脚色されている可能性がある。

また、仕事時間中に保守派識者を執拗に攻撃していたわけだから、その行為に対しては共同通信社にも責任があるはずだ。

彼が配信に関わった記事に恣意的な偏りがなかったかどうか、共同通信の社内チェック体制は適切だったのか、彼がツイートした内容の一つ一つは正当な言論活動と言えるものだったのか、ナザレンコ氏が訴えているように誹謗中傷の類いだった場合、責任の一端はそれを放置していた共同通信にもあるのではないか等々、疑惑はいくつもある。

しかし、これを重大問題として取り上げ、追及するマスコミは皆無と言っていい。かくもマスコミやメディアは身内に甘いのである。

4,メディアの洗脳、マインド・コントロール報道を訴えた元オセロの中島知子さん。全て勝訴か勝訴的和解で決着

そして、中島知子さんの洗脳・マインドコントロール騒動についても同じことが言える。

この件では、次のような記事が配信されている。

news.yahoo.co.jp

中島さんは、「洗脳されている」「マインド・コントロールだ」という不当な言いがかりを払拭するため、有名な弘中惇一郎弁護士に依頼して、あることないこと騒ぎ立てたメディアを次々に訴えたそうだ。

弘中弁護士は裁判を次のように振り返る。

「被告であるメディア側の主張は法廷で何一つ立証されなかった。そもそも洗脳とは何か。洗脳というのは頭に何か違うことをインプットしたということですが、どうやって何をインプットしたのか。何のために彼女を洗脳するのか、こんなにも長期間にわたる洗脳がどうしたら可能なのか。だれひとり裁判で答えられなかったのです」

「洗脳」という響きがセンセーショナルだったため、根拠もないままに虚偽情報が広がってしまったのだろうと指摘する。(中略)

2016年までに抱えていた裁判はすべて勝訴ないし勝訴的和解で決着した。

「法廷で『洗脳』が事実無根であると明らかになったこと、最後の裁判が勝訴的和解で終了したことから、一連の訴訟は目的を達しました。一部のメディアからは虚偽報道だったとして謝罪がありました」

と弘中弁護士は話す。

数社からは数十万~百万円単位の損害賠償金が支払われた。

裁判の結果、洗脳もマインド・コントロールもなかったことが明らかになった。

しかし、この件をマスコミやメディアは2016年当時、自ら報道しただろうか? yahoo!ニュースに載ったこの記事も、yahoo!が用意したオリジナルニュースである。

裁判で負けたマスコミやメディアは、そのことを報じなかったのだ。少なくとも、大きく人目につくような形では。

記事中、「勝訴的和解」とあるのは、おそらく会社名を出さない代わりにメディア側が非を認めて和解金を支払う、というものだったと思われる。

記事では、具体的にどの社が敗訴して、どこが和解したかは書かれていない。

しかし、裁判によってはっきりしたのは、マスコミやメディアは「中島知子は洗脳ないしマインド・コントロールされている」と大騒ぎしたけれども、それらはみなウソだったということだ。

5,性懲りもなく「マインド・コントロール」を吹聴する紀藤正樹弁護士。「オセロ中島知子騒動」の誤りについて、彼女に謝罪したのか? 責任は取ったのか?

ここで、魚谷氏の『間違いだらけの「マインド・コントロール」論』の第2章に戻る。

この中島知子さんの騒動の際、彼女がマインド・コントロールされているとワイドショーで主張していたのが、他ならぬ紀藤正樹弁護士なのである。本には彼のテレビでの具体的な発言も記録されている。

しかし、紀藤弁護士の主張が全くの的外れだったことはもはや明白だろう。

「中島知子さんはマインド・コントロールされている」と影響力の大きいTVやメディアで語っていた紀藤正樹弁護士は、この件でどんな責任を取ったのだろう?

  • 紀藤弁護士は中島知子さんに謝罪したのか?
  • 紀藤弁護士は、当時のワイドショーやメディアでの発言を見聞していた視聴者に謝罪したのか?
  • 間違った発言をしたことに対して責任を取ったのか、取らなかったのか?
  • もし取ったと言うのであれば、どういう責任の取り方をしたのか?
  • 取らなかったとすれば余りにも無責任。他人や他団体を批判する資格はないのではないか!

紀藤弁護士は「マインド・コントロールがどうのこうの」と言う前に、まずこれらの疑惑に答えるべきだ。

6,所詮は疑似科学の「マインド・コントロール」、メッキがはがれるのは時間の問題

マインド・コントロールとは全く無関係だったのに、1人の芸能人をマインド・コントロールされていると決めつけたのが紀藤正樹弁護士である。

そういう人物が、過去の誤りが明白になった今も、性懲りもなく吹聴しているのが「マインド・コントロール」なのである。

今回はマスコミを動かし、野党を信じ込ますことに成功したばかりか、自民・公明から政府まで巻き込んで旧統一教会包囲網を作ったけれども、所詮、彼の「マインド・コントロール」論は疑似科学にすぎない。

つまりは、彼が作り出した反統一教会世論も砂上の楼閣なのである。確かな根拠という支えを持たない砂の城は、いずれは崩れ去る運命にある。

本書を読んだだけでも、そのことがよくわかる。

「旧統一教会の信者はマインド・コントロールされている」「彼らはマインド・コントロールの手法を使って被害者を生み出している」と大真面目に信じている人は、まずは魚谷氏の本を読むべきだ。

紀藤正樹著『マインド・コントロール』と読み比べをして、どちらが正しいことを言っているか考えてみるのもいいだろう。紀藤正樹氏と魚谷俊輔氏、どちらの言い分に理があるか?

こうして紀藤氏を批判する本が出たことによって、読者はそのことを自分の頭と心でしっかりと確かめることができる。

魚谷氏の本を読めば、よほど反統一教会に凝り固まった人を除けば、大抵の人は目から鱗が落ちるのではないだろうか。自分はそう思う。

さて、その肝心の本だが、小出版社の刊行のゆえか、リアル書店には今のところ余り並んでいないようだ。

ネット書店では、アマゾンは一定期間注文を受けると、しばらく受付を中止してその分を出版社に発注し、販売にメドが付いたら受付を再開する。

そして、ある程度注文数がまとまったらまた出版社に発注をかけるが、入荷した分がさばけるまでは次の注文は受け付けない。

小出版社については、どうもそういうやり方をしているようだ。

【4/10深夜追記:アマゾンでは常時注文受付が始まった。これは他の本と同じ扱いになったということ。小出版社でも大出版社と対等に勝負できるのがnetshopのいいところだ】

7,amazon以外のネット書店では、HonyaClub、楽天ブックスが常時注文を受け付けている。

一方、常時、注文を受け付けているネット書店もある。ふだんアマゾンばかりに頼っている人は、改めて会員登録しなければいけないので、少々面倒ではあるが。

www.honyaclub.com

Honya Clubは中小出版社との提携が多い。税込2,000円未満の注文は送料350円。

【4/11追記】楽天ブックスでも、取り寄せ注文ができる。

books.rakuten.co.jp

【7/24追記】

Kindle版も発売中。