- 1,滝本太郎弁護士の「トランスジェンダリズム思想」批判
- 2,日本学術会議はさっさと解体すべきだ
- 3,反日自虐史観の「村山談話」を出せたのは、これさえできたら内閣が吹っ飛んでもいいと村山氏が思っていたから
- 4,「旧統一教会は外部の情報や異論を何としても遮断する」とデマ情報を紛れ込ませた滝本氏の寄稿
- 5,「外部の情報や異論を何としても遮断する」は、信者を拉致監禁した反統一教会勢力がやってきたこと
1,滝本太郎弁護士の「トランスジェンダリズム思想」批判
産経ニュースのサイトで22年10月25日の滝本太郎弁護士の論考が「注目記事」の上位に上がっていたので、再度読んでみた。
「トランスジェンダリズム思想」(男女の性別は生まれつきの体で決まるものではなく、自分の認識で後に変更できる)の批判はしごくもっともで、「性の無政府主義社会」を作り出すという指摘は同感だ。
ここまでLGBT法の法制化を求める運動団体や勢力の活動が活発化したのは、日本学術会議の方針表明も関係があるようだ。
「男性器はあっても女性と認識する人は女性として遇せよ」というトランスジェンダリズムの思想運動は、キリスト教文化圏を中心に、深く浸透してきた。
日本にも性同一性障害(性別不合)にかかる特例法があるが、これはイコールではない。T(トランスジェンダー)と呼ばれる中でも、自分の性別に対し医療を必要とするほど「身体違和」がきつい人にかぎって性別適合手術の道を開き、その上で「他の性別に変わったものとみなす」という法律である。
ところが、2020年9月、日本学術会議は「性的自己決定」を重要とし、法律上の性別変更について単純に「性別適合手術」要件を外すべきだとした。
21年9月、関東弁護士会連合会も同様の大会宣言を出した。関弁連は、身体違和はないトランス女性につき「トイレの利用についても、支障なく性自認に基づいた利用ができるよう、トイレを利用する全ての者への理解を促し」とも明言した。
驚愕した。後の歴史には女性に対する宣戦布告だと位置づけられよう。
と滝本弁護士は書いている。
2,日本学術会議はさっさと解体すべきだ
日本学術会議はさっさと解体すべきだ。自民党は体制内に入り込んだ左翼の温存が自国の文化・伝統を破壊し、社会のリベラル化を促し、国益を損なうばかりか自民党の存立基盤をも崩していくことにもっと危機感を持つべきだ。
菅内閣当時、新会員の推薦を拒否した時点で、これが問題化することは分かっていたはず。その時こそチャンスだった。
これこれこういう理由でこの組織は有害だと明らかにし、保守層の理解を得た上で改革を断行すべきだった。
それをしなかったのは、菅義偉首相(当時)に腹がなかったからである。
3,反日自虐史観の「村山談話」を出せたのは、これさえできたら内閣が吹っ飛んでもいいと村山氏が思っていたから
自民党は何のために政権の座にいるのだろう?
社会党の村山富市氏は自社さ連立政権で首相の座に就いたとき、「村山談話」という反日自虐談話を出した(1995年8月)。しかも、これは閣議の場に抜き打ちで出したもので、出席閣僚は事前に知らされていなかったことが分かっている。
閣僚には保守系の江藤隆美議員や平沼赳夫議員もいたが、とっさのことでこれを阻止できなかったと後に証言した。
文案はその場で配られ、読んだ後に回収され、中身を検討する時間は皆無。この抜き打ち行為で閣議決定したことにされ、今日、戦後50年村山談話は「日本が侵略戦争をしたことを政府が認めた文書」「痛切な反省と心からのおわびを表明した文書」として左翼から高く評価されている。
自分から見れば、村山談話は反日思想丸出しで、韓国や中国を居丈高にさせる口実を与え、近隣諸国に対して日本を永遠に土下座させ、謝罪させ続ける恥ずべき談話としか見えない。
今日、この反日の権化のような談話を手放しで礼賛する朝日新聞、毎日新聞、東京新聞など左翼全国紙が旧統一教会を「反日だ」として批判しているのは、笑止千万である。
村山談話は、戦後70年安倍談話のように、内容を有識者を集めて検討させた上で、その意見を踏まえて作成されたものではない。村山氏ら社会党関係者が秘密裏に文案を練り上げ、閣議を強行突破して出したものだ。
こんな強権的、非民主的手続きで作った談話を朝日新聞は今日に至るまで絶賛し続けている。
安倍元首相は、この村山談話を骨抜きにすべく苦心惨憺したが、談話の撤回はできなかった。戦後70年安倍談話で村山談話の価値を引き下げるのがやっとだった。
やり口はきたないが、ある意味、社会党は党首が首相である間に、自分たちがやりたいと思っていたことをやった。その心意気は買うべきかもしれない。自民党も真似すべき点だろう。
汚いやり口は真似してはならないけれども、政権政党として、新内閣ができたらその都度、体制内左翼を一つずつ潰す。それをやってこその保守政党ではないか。
村山談話が成功したのは、極端な話、村山氏はこれさえやれたら内閣が吹っ飛んでもいいと開き直っていたからだ。当時、自民党や保守系識者から猛烈な批判、非難の声が上がったものの、全ては後の祭り。
自民党は極めてハードルの高い憲法改正に挑戦することも大事だが、やろうと思えば、もっと少ない抵抗でできることもどんどんやっていくべきだった。日本学術会議の解体がまさにそれだ。
公的資金を投入しながら、政府批判の牙城を政府が温存する矛盾。おかしいと思わないのだろうか。
2020年9月、日本学術会議は「性的自己決定」を重要とし、法律上の性別変更について単純に「性別適合手術」要件を外すべきだとした。
こんな提言をする団体は異常だ。軍事研究禁止の継続宣言も、日本の国益をもろに損なうものだった。せっかく組織のあり方を見直すことにしたのに、解体できなかったのは痛恨の極みである。
4,「旧統一教会は外部の情報や異論を何としても遮断する」とデマ情報を紛れ込ませた滝本氏の寄稿
滝本弁護士の寄稿で気になったのは、わざわざ旧統一教会を批判していることだ。
私は、長い間、弁護士として旧統一教会やオウム真理教問題の被害者対策に取り組んできた。もっぱら信者さん対応をしてきた。カルト宗教は、外部の情報や異論を何としても遮断する。
なんだこれ? 旧統一教会は「外部の情報や異論を何としても遮断する」って本当ですか。
これこそ全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)のデタラメな主張そのもの。旧統一教会を攻撃するためにでっち上げ、関係者内で共有されているデマ情報ではないか。
5,「外部の情報や異論を何としても遮断する」は、信者を拉致監禁した反統一教会勢力がやってきたこと
「外部の情報や異論を何としても遮断する」は、旧統一教会信者を脱会させるための拉致監禁、すなわち拉致監禁を伴う強制的な脱会説得の場で行われてきた手法である。
新体操選手の山崎浩子さんを拉致監禁して脱会させたやり方に典型的に見てとれる。あの時、彼女は40日以上も失踪状態だった。その間、合同結婚式で配偶者となったはずの勅使河原氏は彼女と全く連絡がとれなかった。居場所も分からなかった。
山﨑さんを拉致監禁した家族や牧師、反統一教会勢力が一切連絡を取らせなかったからだ。「外部の情報や異論を何としても遮断する」を実行したのは、反統一教会勢力の側だった。
旧統一教会がそんなことをしていないことは、自発的脱会者である哲学者の仲正昌樹教授が証言している。
論理的に考えてもありえない。「外部の情報や異論を何としても遮断する」には、信者や信者予備軍を監禁状態に置く以外ないが、旧統一教会がそんな方法を取れば直ちに刑事告訴されて一貫の終わりだ。
反統一教会勢力の拉致監禁が法の網の目をすり抜けてきたのは、実行犯が家族、親族だからである。「家族、親族を交えた話し合いだから」と言えば、警察は民事不介入原則に阻まれて簡単には介入できない。
卑劣にも反統一教会勢力は、こうした法の不備を悪用してきた。しかし、旧統一教会が信者を伝道するとき、この手は使えないのだ。家族や親族ではない教団関係者が、赤の他人を拉致監禁して施設に閉じ込め、無理やり教義を注入して信者にしてしまうなんてあり得ない。
教団施設に通って教義を学ぶ人は、その間、いくらでも自由に外部の情報や異論に接することができる。たとえ教団側が「外部の情報や異論に接したらだめですよ」と言ったとしても、本人は自由な環境で暮らしているのだから、本人の考え次第で本屋にも行けるし、図書館にも行ける。ネットも使える。あらゆる自由が保証されている。
入信して教団内で集団生活を始めたとしても、事情は変わらない。共産圏と違って信者1人ひとりに監視がつくわけではない。そんな話は聞いたことがない。
個人で行動する自由があるのだから、自由に何でもできるのは集団生活においても変わらないだろう。
だから、仲正教授は修練会や集団生活のさなかに、いつの間にか信者がいなくなる(=修練会を途中で退出したり、脱会したり…)ことはよくあった、と述べている。
一方、脱会目的で拉致監禁された者は、この自由を一切合切剝奪されてしまうのだ。それがどんなに異常で残酷な所業か、滝本弁護士は想像できないのだろうか?
滝本太郎弁護士よ、LGBT法案を論じる寄稿で、どさくさ紛れにデタラメな偽情報を読者に刷り込む卑怯な手を使うのはやめなさい。こんなウソを平気で書くようでは、寄稿の他の箇所にもウソがあるのではないかと疑わざるをえなくなる。あなたの信用を落とすだけだ。
旧統一教会について、何事か論じたいなら、仲正氏が書いた体験手記や拉致監禁から脱出してきた小出浩久医師の『人さらいからの脱出』、ルポライター米本和広氏の『我らの不快な隣人』、室生忠氏の『日本宗教の闇』、梶栗玄太郎編『日本収容所列島』などは最低限、読んでおくべきだ。読んで目を覚ませ!
【追記】
2023年8月、小出浩久氏の伝説の名著が改訂復刻された。アマゾンで購入でき、Kindle版もあるのがうれしい。内容はほぼ同じだが、キリスト教用語や統一教会用語に注が付いて読みやすくなった。まえがきも一新されている。