- 1,岸田首相「女性ならではの感性」発言を非難する思考停止中の人たち
- 2,古賀千景・立憲民主党参院議員「女性ならではの視点を組み込むことが多様性につながる」
- 3,田村麻美・国民民主党参院議員「就労環境を、女性ならではの視点というか、子宮を持つ者としての健康対策も必要」
- 4,山尾志桜里・立憲民主党衆院議員「女性ならではの苦労」「この問題は女性の多くに当てはまる、そういう観点からの問題点をお伺いしたい」
- 5,薬師寺道代・無所属(元みんなの党)参院議員「女性ならではの感性、視点を生かしながら働く、これが私どもが望んでいること」
- 6,伊藤惠子・宮城県美里町農業委員「女性ならではの感性と生活者の視点を生かし、更なる活動を展開をしてまいりたい」
- 7,安井美沙子・民主党参院議員「女性ならではの経験、感性、視点が重要という一方で、女性の起業にどのような支援をしようとしているのか」
- 「岸田首相『女性ならではの感性』発言に反発する東京新聞、蓮舫氏、平野啓一郎氏らの絶望的な愚かさ」(9月14日)
- 「室井佑月氏、岸田首相の“女性ならでは”発言批判に疑問『バカみたい』の大正解/米ラトガーズ大学『アメリカ女性と政治センター』デビー・ウォルシュ所長の見解は?」(9月16日)
の続きを書いた。
1,岸田首相「女性ならではの感性」発言を非難する思考停止中の人たち
したり顔で岸田首相の「女性ならではの感性」発言を批判する人が後を絶たない。ダイヤモンド・オンラインで妙なことを書いているライターがいた。
この種の言葉は、女性の社会参画を支援する活動で知られるアメリカの女性学者も堂々と使っているし、むしろ「積極的に使え」と勧めていることは既に書いた。
「女性ならではの感性」も「男性ならではの感性」も現に存在する。特に後者について女性たちは、「男性目線のモノの言い方だ」などと、不快感を表すときにしょっちゅう使っているではないか。
「女性ならではの感性」「男性ならではの感性」、どちらも長所もあれば短所もある。我々が日々の暮らしの中で当たり前のように感じていることだ。
フェミニストたちがしきりに女性の社会参画、政治参画、女性国会議員数の増加を訴える裏には、「女性参画を増やせば9条改憲ができなくなる」という軍事忌避、9条改憲阻止の発想がある。
「女性は戦争や軍事を嫌う」という意識が男性よりも強いことを彼女らは知っている。それを利用して自らの左翼的立場を強化しようという裏の狙いがあるわけだ。
こんなことは、多くの女性団体が「戦争反対」「有事法制反対」「安保法制反対」が大好きなことからも容易に分かるだろう。
「戦争で一番犠牲になるのは女や子どもだ。だから戦争反対」と言う人も女性に多い。こういうのを「女性ならではの感性」という。この感性は長所にもなれば、短所にもなる。
もちろん、女性であれば全てこのように考えるわけではなく、あくまでそういう傾向があるということ。
女性が買う商品と男性が買う商品に差があるように、女性の意識と男性の意識は自ずと異なる。選挙だって、男性と女性では投票先の政党や人物に差が出るものだ。
鎌田和歌というライターは、
この発言の何がいけないか理解できるかどうかが、意識のアップデートチェックに役立ちそうだ…
と、さっそく時流に便乗した記事を書いている。
あわれだなあ。ウンザリしてるのは、こういう下らない記事や非難に付き合わされる一般国民の方。それに気が付かないなんて…。
鎌田氏の言う「ウンザリ発言」とやらを、当の女性たちが繰り返し使ってきたこと、それは自民党だけでなく野党も同様だということ、そして何より、冒頭に書いた女性の社会参画を推し進める具体的、実践的活動をしている女性学者も積極的に使っていることを、どう説明するのか?
また、この人は、「女性ならではの感性」が存在しないことを科学的に立証できるのだろうか?
あらゆる局面で男性と女性の感性に差がないことを科学的に立証した権威ある論文があるなら、示してほしいものだ。
試みに、国会質疑で「女性ならではの感性」「女性ならではの視点」などを肯定的に使っている人を探してみた。出てくる、でてくる。ゴロゴロある。
2,古賀千景・立憲民主党参院議員「女性ならではの視点を組み込むことが多様性につながる」
○古賀千景(女性) ありがとうございます。2割というお話をいただきました。
ジェンダー平等を推進していく観点からも、また一部の理事の専横による不祥事防止の面からも、女性の評議員や役員を増やしていくことはとても有効だと私は考えます。
先日のナノテラスの法案でも女性が占める割合について質疑がありましたが、例えば女性学長の割合について、令和四年度の学校基本調査によれば、私立で約14%、そして国立でも5%という低い数字となっております。女性が働き続けることにより、大学や組織に対し女性ならではの視点を組み込むことが多様性につながると考えます。是非、女性の登用というところも増やしていただきたいと思っております。(参議院文教科学委員会、2023年4月25日)
3,田村麻美・国民民主党参院議員「就労環境を、女性ならではの視点というか、子宮を持つ者としての健康対策も必要」
○田村まみ(女性) 職場における女性活躍推進についても大臣は所信で触れられていました。年収の壁や扶養の壁というのは、実際、当事者は女性が多いです。先ほど来、石橋委員も話にありましたけれども、構造的な賃上げを妨げている要因だというふうに私は思っておりますし、また男女の賃金格差の要因であることは間違いがないというふうに考えております。
その上で、壁を越えて労働時間を長くしていくというその女性の立場を考えると、女性というか子宮がある生物としては、長く働いていく中において、税、社会保障のこの議論だけじゃなくて、就労の抑制とか就労を続けていく環境を、女性ならではの視点というか、子宮を持つ者としての健康対策も必要だというふうに私は考えています。(参議院厚生労働委員会、2022年11月8日)
4,山尾志桜里・立憲民主党衆院議員「女性ならではの苦労」「この問題は女性の多くに当てはまる、そういう観点からの問題点をお伺いしたい」
○山尾志桜里(女性) ちょっと坂本参考人にお伺いをしたいのは、坂本参考人は、例えば、ベトナム人の女性研修や実習生の現状から考えるというような論文も書いておられまして、女性が日本を目指し、目指した日本で希望をつかむ人もいるけれども、やはり女性ならではの苦労も含めて、大変な失望を感じる人もいると。そういう現状も御存じだと思うんですね。
この論文の中には、ベトナム人の女性について、外国人労働者の一つの日本の構造として、やはり就労機会とか高度技術へのアクセス機会が限られている人が出稼ぎとして日本に来るということが構造上ある中で、この問題は女性の多くに当てはまる、こういうことも書いておられましたので、少しそういう観点からの問題点をお伺いできればと思います。(衆議院法務委員会、2018年11月22日)
女性だから「女性ならではの苦労」には敏感になるのだろう。そして「女性の多くに当てはまる問題がある」から、そういう問題に取り組む上での問題点を聞かせてほしい。山尾議員はそう参考人に質問している。
これこそ「女性ならではの感性」だ。男性には気付きにくいが、見過ごしてはならない問題があるのではないか、という問題意識である。
5,薬師寺道代・無所属(元みんなの党)参院議員「女性ならではの感性、視点を生かしながら働く、これが私どもが望んでいること」
○薬師寺みちよ(女性) 女性が活躍するということは、女性が男性化をして働くということは全く違います。女性は女性ならではの感性、視点を生かしながら、体力の無理のないように、ホルモンの調整のバランスを取りながら働く、これが私どもが望んでいることでございます。
更に申しますと、女性の活躍というものは決して職場だけではございません。地域社会を守ってくださっている専業主婦の皆様方、その方々のお力あってこそ、私どもがこうやって社会で働くことができます。
ですから、これからは、女性が様々な場で活躍するということを視野に入れながら、政府もしっかりとした政策というものを打っていただきますよう私からお願い申し上げて、質問とさせていただきます。(参議院予算委員会、2016年3月28日)
6,伊藤惠子・宮城県美里町農業委員「女性ならではの感性と生活者の視点を生かし、更なる活動を展開をしてまいりたい」
○参考人・伊藤惠子 御紹介いただきました宮城県の美里町農業委員の伊藤惠子でございます。
私は、平成11年、男女共同参画社会基本法が制定されました年に農業委員に就任し、現在5期目であります。また、宮城県農業会議の常任会議員を務めております。
平成26年からは全国女性農業委員ネットワークの会長も務めさせていただいております。平成18年に夫婦共同申請による認定農業者となり、平成22年には株式会社はなやかを設立し、農業法人として認定農業者になっております。
私の所属する全国女性農業委員ネットワークは、現在、40組織で構成されておりまして、平成23年、全国の女性農業委員の自主的組織として設立し、女性農業委員の資質向上、とりわけ女性が一人も登用されていない農業委員会の解消、一農業委員会当たり複数の女性の選出に取り組んでまいりました。
その結果、現在、全国で約2,600人、全体の7・2%の女性農業委員が誕生し、女性ならではの視点を生かした農業委員会活動を推進しています。
安倍内閣において全ての女性が輝く社会づくりが掲げられていることは大変心強く、女性農業委員一人一人がそれぞれの地域で女性ならではの感性と生活者の視点を生かし、更なる活動を展開をしてまいりたいと思っております。(参議院農林水産委員会、2015年8月25日)
7,安井美沙子・民主党参院議員「女性ならではの経験、感性、視点が重要という一方で、女性の起業にどのような支援をしようとしているのか」
○安井美沙子(女性) 私は今、民主党の女性委員会委員長代理をしておりまして、女性の社会進出を応援するのは民主党の党是であります。今回の法案の中でこの女性による起業の支援ということが強調されておりますので、これがどの程度本気なのか、ここを確認させていただきたいと思っています。
今回の法改正では中小企業基本法の基本的施策に女性及び青年による中小企業の創業の促進を追加することとしていますが、一つ懸念しておりますことは、女性ならではの経験、感性、視点が重要という一方で、女性の起業に対してどのような支援をしようとしているのかよく見えないことです。基本的施策を具体化するような支援が長期にわたって展開されなければ、女性による創業の促進という文言は単なるお飾りになってしまいます。(参議院経済産業委員会、平成25年6月13日)
安井美沙子議員は「女性ならではの経験、感性、視点」を強調しているわけではないが、肯定はしている。その上で、具体的にはどういうことをやるのかと政府に質問しているわけだ。
キリがないのでこの辺でやめる。肩書は発言当時のもの。
これだけ女性議員や参考人が「女性ならではの感性、視点」を強調しているのであれば、男性議員がその「感性や視点」を共有しようと考えるのは当たり前ではないか。
鎌田和歌氏には、ぜひとも上に示した発言について、1つ1つ名指しで、きちんと理由を挙げて批判をしてもらいたいものだ。
そして、批判した当事者から「私の批判をどう思うか」と意見聴取して公表してほしい。
一部のツイッター世論に便乗して岸田総理批判をやるなんて誰でもできる。この程度の原稿でおしまいなんて恥ずかしすぎる。
大手メディアを舞台に署名原稿を書くライターならば、そのくらいの責任ある言論活動をしないでどうするんだ!
【気晴らしsongs】
統一教会の聖歌62番「十字架より叫び聞こゆ」は、福音派系キリスト教会で多く使われているという「新聖歌120番」と同じ。曲は微妙に違うのかもしれないが、少なくとも歌詞に関しては同じだ。
下の新聖歌120番を歌っているのは「おしゃべり賛美家」を名乗る菅原早樹さん。