吊りしのぶ

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「純アルコール量」の決定的な男女差

岸田首相の「女ならではの感性」発言が批判を浴びたときは心底呆れた。

tsurishinobu.hatenablog.com

「男女平等」とは男も女も差がないこと、同じこと、であるはずがないのに、違いを強調すると批判するお馬鹿さんが後を絶たない。

彼らは、

生物学的性差(セックス)と社会的性差(ジェンダー)は別物。生物学的性差はあるが、ジェンダーは違う。それは社会的に刷り込まれてきたものであり、押し付けだ。そんなものにとらわれる必要はない。

と考えているらしい。

フェミニズムにもいろいろな考え方があって一概に言えないが、ニュースなどで得られる情報をもとに自分なりに要約するとこうなる。

しかし、実際に日本で槍玉に挙げられるのは、ジェンダーとは限らない。

例えば、テレビで見たが、どこかの飲食店が女性用メニューでどんぶりもの(だったと思う)を小ぶりにしたら、批判が殺到したという。

いわく、女だって男並みに、いやそれ以上食べる人はいる。なぜ「女は男より少なくしか食べないと決めつけるのか」。

ほんとに馬鹿らしい。女が男より食べる量が少ないのは紛れもない事実じゃないか。

もちろん、それは一般的な傾向であって、例外はいくらでもある。しかし、全体的に見れば、違いは歴然としている。

大抵の人は経験的に知っていることだ。

夫婦おそろいの湯飲み茶碗は女性用の方が小さく作られているし、ご飯茶碗もそうだ。

だいたい体つきからして男女は違う。女性の方が一回り小さい。だから腕時計も一般的に女性のは小ぶりだ。

体が小さければ、食べる量も少なくなるのは当たり前だろう。

このように、生物学的性差の存在は明白なのに、男女平等の観念を振り回す輩は、ジェンダーの話をセックスにまで拡張して、平気でケチをつけてくる。

もっと言わせてもらえば、セックスに違いがある以上、ジェンダーにも性差が生まれるのは当然のこと。両者は切り離せるものではない。「女ならではの感性」があるのは常識だ。

「産む性」と「産めない性」の違いは決定的であり、産む性の女性が、産めない性の男性には見えないものがよく見えると考えて何の不思議があるだろうか。逆もまた然りである。

このセックスとジェンダーを混同した議論は、学問にも影響を及ぼしている。何かで読んだが、脳科学の分野で脳の性差研究が難しくなっているというのだ。

性差研究ができないというわけではないが、男女別にデータを取ろうとすると、最近は「なぜ男女別のデータが必要なのか」と厳しくチェックされるという。

そういう傾向が生まれた理由までは書いていなかったが、おかしな話だと思う。脳の性差は生物学的性差ではないか。

ジェンダーが脳の性差に基づいている可能性もあり、そうであれば、ジェンダーは社会的に形成されたとか押し付けられたとか言えないことになる。

ジェンダーの本質を解明する上で脳の性差研究は極めて重要なのに、それがやりにくくなっているとしたらゆゆしきことだ。

さて、NHKニュースが厚生労働省が発表した「純アルコール量」の話を取り上げていた。NEWSウェブにも載っていた。

NHK NEWSウェブより

www3.nhk.or.jp

日本では、アルコール度数や何杯飲んだかで飲酒量を把握するのが一般的ですが、厚生労働省は、体への影響は酒に含まれるアルコールの量「純アルコール量」で把握するほうが正確だとして、「純アルコール量」で健康へのリスクを示した「飲酒ガイドライン」の案を、専門家で作る検討会で取りまとめました。

「純アルコール量」は、飲んだ酒の量とアルコール度数などを掛け合わせて計算でき、例えばアルコール度数5%のビールでは、中瓶1本にあたる500ミリリットル飲むと、純アルコール量は20グラムにあたります。

ガイドライン案では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日当たりの「純アルコール量」で、男性は40グラム以上、女性は20グラム以上を摂取した場合としたうえで、体質などによってはより少ない量にすることが望ましいとしています。

また、男女とも、1回の飲酒で「純アルコール量」を60グラム以上摂取すると、急性アルコール中毒などが起きる可能性があるため、避けるべきだと注意を呼びかけています。

こういう知識はとても大事だ。

「お酒を飲めない体質の人がいて、そういう人に無理に飲ませてはいけない」という知識はかなり知られるようになってきたが、飲酒量の適正基準については、まだよく知られていない。

自分も一時期、随分飲んだせいでじわじわ太ってしまい、肥満の進行を止めるのに苦労したことがある。

「この人は飲める」となると、周りもどんどん勧めてくるから厄介だ。

飲酒量はなるべく若いうちからコントロールするに越したことはない。

ということで、「女だって大酒飲みはいくらでもいる。なんで女が男の半分なんだ」と反発するフェミ女性は、こんなガイドライン案は無視して、大いに呑めばよろしい。

結果は、自分の体に跳ね返ってくる。それは自業自得だが、他の一般女性を巻き込むのはやめてほしいものだ。

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【気晴らしsongs】


www.youtube.com

ソプラノ歌手カン・ヘジョンの「懐かしき金剛山」。金剛山(クムガンサン)は朝鮮半島東部の南北国境線付近の山。大半が北朝鮮側にあるため韓国人は登れない。彼らにとっては一度は登ってみたい山らしい。

小規模な野外コンサートで、観客席には韓国軍兵士の姿も見える。