テレビや新聞などで選択的夫婦別姓制が議論されるとき、「選択的夫婦別姓制に賛成の人の方がはるかに多いのに、保守派はなんで反対するんだ」とか「若い人は選択的夫婦別姓にみんな賛成。なのに、なんで実現しないの」みたいなことを平気で言う(書く)人がいる。
しかし、それが大ウソであり、単なる思い込みにすぎないことは世論調査のデータで立証されている。
既に拙ブログでは何度も書いてきたことだ。(「選択的夫婦別姓」タグ)
推進派、賛成派は平気でウソをつく。小泉進次郎氏もそうだった。
テレビで識者がウソをついても、同じテレビで「それは違うよ」と指摘する人はいないが、今回小泉進次郎氏が付いたウソは、9日に自民総裁選に立候補表明した高市早苗氏がきちんと指摘した。さすがだ。
「少し正しく皆さまに知識を持ってもらいたい」と述べ、「選択的夫婦別氏制度を実現すると言う候補予定者に『(旧姓で)不動産登記ができない』と答えた人がいたが、4月から不動産登記は旧姓でできる」と指摘した。
選択的夫婦別姓を巡っては、小泉進次郎元環境相が総裁選に出馬表明した6日の記者会見で、制度の導入法案を提出する考えを明言し、「旧姓では不動産登記ができない」などと語っていた。
ウソは良くないよ、小泉進次郎。
「若い人は選択的夫婦別姓にみんな賛成」は、小泉進次郎氏の発言ではないが、これまで幾度となく聞かされた。
かつて有働由美子氏がZERO(日テレ)のキャスターをやっていたとき、そう言っているのを聞いた。
フジTVのイットでも、若手学者の古市憲寿氏が同様の発言をし、加藤綾子アナが同調していた。
古市氏が「選択的夫婦別姓に賛成の人のほうが多い。自民党の古くさい考えはもう一掃して、新しい考えでやってほしい」という趣旨の発言をし、なんと加藤綾子アナも「そうですよね」と全面的に同意していた。
と、これは2021年9月7日の拙ブログからの引用だ。
立憲民主党の枝野幸男氏も、党代表だった当時、「こんなもの、とっくに実現してなきゃいけないもの。やるのは当たり前」と反対意見の方が多いのに、一切無視して勝手なことを言っていた。
ここで強調しておきたいのは、若い人たちでさえ、選択的夫婦別姓に賛成の人は少数派だということだ。
5年に1度対面で行われる内閣府の大規模な世論調査(家族の法制に関する世論調査)の最新版(2022年3月公開)によれば、18~29歳でも同姓維持派が59.8%(16.1+43.7)、選択的夫婦別姓派39.9%で、同姓維持派の方が20ポイントも多い。
- 現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい/16.1%
- 現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい/43.7%
- 選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい/39.9%
この事実は何度でも強調されてしかるべきだ。
有働由美子氏、加藤綾子アナ、古市憲寿氏、枝野幸男氏らは、どの面下げて「選択的夫婦別姓に賛成の人のほうが多い」とか「自民党の古くさい考え」とか「とっくに実現してなきゃいけない」とか言えるのだ。
顔を洗って出直してこいと言いたい!
内閣府調査については、以下の拙ブログにより詳しく書いた。