- 1,「拉致監禁による強制的な脱会説得」の体験記が明らかにした「脱会屋」と弁護士の連携
- 2,『監禁250日 証言「脱会屋」の全て』(光言社)に対し、47人もの弁護士が連名で回収と謝罪を要求
- 3,「スラップ訴訟だ」と統一教会を批判した紀藤正樹弁護士は、一介の無名の信者の体験記を「回収し、謝罪せよ」と迫った。これは言論封殺の恫喝ではないのか!
- 4,弁護士が一般庶民に内容証明郵便で回収・謝罪を迫れば、「拒否したら訴えられる」と怯えるのが普通
- 5,自分がやった過去の行為を棚に上げる紀藤正樹弁護士よ、恥を知れ!
- 6,統一教会側の反論に大沼和子弁護士以下、紀藤、山口、郷路ら各弁護士は音沙汰なし
1,「拉致監禁による強制的な脱会説得」の体験記が明らかにした「脱会屋」と弁護士の連携
中山達樹弁護士(中山国際法律事務所)が超弩級の“爆弾”を投下した。
職業的「脱会屋」の宮村峻(たかし)氏の関与の下、親族に拉致監禁され、からくも脱出に成功した体験を綴った『監禁250日 証言「脱会屋」の全て』(光言社)という本がある。
自分はこの本を「拉致監禁による強制的な脱会説得」の実態を白日の下にさらした名著だと思い、拙ブログで何度も取り上げてきた。出版されたのは1994年。著者が拉致監禁の被害に遭ったのは1991年だ。
同様の名著で紀藤正樹・山口広両弁護士や平田広志弁護士、有田芳生氏、宮村峻氏、新津福音キリスト教会の松永堡智(やすとも)牧師らが関わった『人さらいからの脱出』(光言社)は1996年に刊行され、今も同社のオンラインショップで購入できるが、残念ながら『監禁250日』は品切れ状態である。
しかし、たとえ品切れであろうとも、過去にこのような事件が起きた事実は消すことができない。そしてこの2冊の本が貴重なのは、強制的な脱会説得のマニュアル化された手法を、余すこと無く活写していることである。
拉致監禁被害に遭った他の人々の手記や陳述書などを読むと、反統一教会勢力がやっていることは金太郎飴のように同じだと分かる。そうした手法により、拉致監禁を伴う強制的な脱会説得は2010年代後半まで延々と続いてきたのである。
2,『監禁250日 証言「脱会屋」の全て』(光言社)に対し、47人もの弁護士が連名で回収と謝罪を要求
元信者で評論家として活動し、活発に統一教会批判をしている多田文明氏も、この2人と同じようなやり方をされて脱会するに至った。
その詳しい経緯は、妹さんが『親は何を知るべきか』(いのちのことば社、マインド・コントロール研究所編、1997年)の中であっけらかんと証言してくれている。
- 兄を統一協会から救出した妹の証言~「脱会に至るまでの10年の軌跡」:大倉富貴子
さて、超弩級の“爆弾”投下と自分が書いたのは、名もなき一介の統一教会信者が書いた『監禁250日 証言「脱会屋」の全て』(光言社)に対し、実に47人もの弁護士が統一教会と版元と著者に回収と謝罪を要求していた(しかも内容証明郵便で)、という驚愕の事実が明らかにされたからである。
中山達樹弁護士によると、そのことは、統一教会の機関紙「中和新聞」1994年9月15日付けに載っているそうだ。47人の中には、紀藤正樹、山口広、郷路征記らの名前があるという。
47人の中に全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の弁護士たちが多数含まれていることは想像に難くない。
3,「スラップ訴訟だ」と統一教会を批判した紀藤正樹弁護士は、一介の無名の信者の体験記を「回収し、謝罪せよ」と迫った。これは言論封殺の恫喝ではないのか!
なんだ、紀藤弁護士は統一教会から訴えられてスラップ訴訟だと怒っていたが、同書に対しては47人というものすごい人数の中の1人として、連名で回収と謝罪を要求し、内容証明郵便を送っていたのか。
一介の名もなき信徒が書いた体験記の著者や版元に、実に47人の弁護士が大挙して回収と謝罪を要求するとは何たる暴挙!
これこそスラップ訴訟一歩手前の恫喝、言論封殺を意図した恫喝、集団の力を借りた脅し以外の何ものでもない。
紀藤正樹弁護士のような、全国的な知名度を誇り、テレビに出まくって、日弁連会長の顔や名前は知らなくても、紀藤正樹弁護士の顔や名前を知らない人はいないというほどの超有名人を相手に内容証明郵便を送るのとは訳が違う。
当時、47人が回収と謝罪を要求した相手は、旧統一教会のただの平信徒なのだ。
この本に実名が出てくる弁護士は大沼和子弁護士だけ。彼女が1人で回収と謝罪を要求するというなら、まだ分からなくもないが、47人の弁護士が連名でとなると、これは尋常ではない。
恫喝や脅しと解釈するなと言う方が無理である。
- なぜ紀藤正樹、山口広、郷路征記弁護士らは、当事者でもないのに47人のリストに名を連ねたのか?
- 47人もの弁護士が連帯して回収と謝罪を要求する行為は、言論封殺を意図した恫喝にあたるとは思わなかったのか?
それは間違いなく言論活動を委縮させ、言論の自由を脅かす不届き千万な行為である。良識ある弁護士として、一民間人に対してやってよいことではない。
人一倍、スラップや恫喝、脅しには慎重でなければならない立場の弁護士が、拉致監禁という刑法犯罪の被害者であり、信教の自由を蹂躙された人権侵害の被害者である著者に対し、47人もの集団で回収と謝罪を要求、言うことを聞かなければ法的措置も辞さないと迫った。それなのに、紀藤弁護士は自分が統一教会から訴えられると「スラップ訴訟だ」と大騒ぎしている。
おかしいと思わないのだろうか? 自己矛盾も甚だしく、ダブルスタンダード、ご都合主義と批判されて当然である。
4,弁護士が一般庶民に内容証明郵便で回収・謝罪を迫れば、「拒否したら訴えられる」と怯えるのが普通
いや、大沼和子弁護士が1人で回収と謝罪を要求したとしても、自分はスラップ一歩手前の恫喝だと思う。弁護士と一民間人とでは、弁護士の方が圧倒的に立場が上。力関係において優位にあるからだ。
弁護士が「さっさと回収して謝罪しろ」と内容証明郵便で要求するということは、拒否すれば訴訟が待っているということだろう。
上級国民の弁護士と違って、同書の著者は統一教会の一信徒、それも拉致監禁から命からがら脱出してきた人間だ。250日もの間、働けなかったわけだし、カネを持っているとは考えにくい。
「訴訟を起こされたらカネがかかるし、時間も取られる。困ったなあ。仕方が無い、回収してゴメンナサイするか」
と考えるのが庶民感情だ。大沼弁護士は、そうした一般庶民の弱みにつけ込んだと言われても仕方あるまい。
5,自分がやった過去の行為を棚に上げる紀藤正樹弁護士よ、恥を知れ!
そして、この大沼和子弁護士とつるんで、言論封殺を狙って著者を恫喝したのが、紀藤正樹、山口広、郷路征記弁護士ら名だたる弁護士たちだった。
以下、中山達樹弁護士ブログより。
何度でも言おう。紀藤正樹弁護士は、かつてこんな酷いこと(=スラップ訴訟一歩手前の恫喝、言論封殺を意図した恫喝、集団の力を借りた脅し)をやっていたのだ。
それでいながら自分が統一教会に訴えられると、今や国民的超有名弁護士になったにもかかわらず、「言論封殺を目的とした『スラップ訴訟』だ」と騒ぐのだから、開いた口がふさがらない。
そんなことを言う資格があるのかどうか、自分の胸に手を当ててよく考えてみたらどうか。
6,統一教会側の反論に大沼和子弁護士以下、紀藤、山口、郷路ら各弁護士は音沙汰なし
回収と謝罪を求めたということは、書かれた内容に事実に反するところがあると思ったからだろう。一体、あの体験記のどこに事実に反する内容があるというのか?
中山弁護士によると、統一教会側の反論に大沼弁護士サイドは音沙汰なしだったという。紀藤弁護士は、なぜ堂々と統一教会の反論に、まずもって言論で応じようとしなかったのか。
それはつまり、書かれた中身が事実で、答えようがなかったからだと思われる。
ところで、『監禁250日 証言「脱会屋」の全て』の刊行直後、47人の弁護士が回収と謝罪を要求した事実は、既に米本和広氏が『我らの不快な隣人』(情報センター出版局、2008年)で明らかにしていた(p.367 第1章の注6)。
更にさかのぼると、『「霊感商法」の真相』(世界日報社、1996年)に、この件での著者インタビューが載っている。驚くべきことに、そこには47人の弁護士の実名が丸々1ページを使って記されている(p.241)。
あまりにも衝撃的で、どう反応していいか分からないというのが正直なところだった。それが今回、中山達樹弁護士の投稿で、「中和新聞」という統一教会の機関紙で報じられた動かすことのできない事実だと明らかになったのだ。
この意義は限りなく大きい!
(この稿つづく)