『拝啓岸田文雄首相 家庭連合に、解散請求の要件なし』(光言社)を刊行したばかりの中山達樹弁護士が、弁護士ドットコムに登場した。
「解散命令はあり得ない」「黒いところはない」と熱弁をふるっている。
以下はMSNニュースに転載された記事。
案の定、批判が多いようだ。読めばなるほどと納得できる内容なのに、何も考えず下げボタン(非難?)を押す人間の気がしれない。「いいね」に決まってるじゃないか。
記事を読んで、なぜ国際弁護士の中山氏が火中の栗を拾って「統一教会解散論」を批判したのか、よく考えてみるべきだ。そこには理由があるはずだ。
岸田政権の「断絶宣言」や質問権行使などに各方面から批判の声が出ていることは周知の事実。
福田ますみ氏、徳永信一弁護士、杉原誠四郎氏、櫻井よしこ氏、高井康行弁護士(元東京地検特捜部検事)、佐藤優氏、三浦小太郎氏、岩田温氏、原英史氏(政策シンクタンク代表)、加藤文宏氏(著述家)…。
パッとこのくらいの名前が浮かぶ。「統一教会は嫌いだが、今行われていることは行き過ぎだ。信教の自由の侵害だ」と言う人も含まれる。
中山弁護士は、そこから一歩を進めて、岸田政権による解散命令請求に向けた動きを、弁護士らしく法律解釈を交え、理路整然と批判した。
統一教会には解散に値する要素はなく、したがって解散命令請求のための質問権行使に始まる一連の動きにも合理性はなく、正当化できない、というものだ。
全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連、霊感弁連)の政治的背景や「拉致監禁による強制的な脱会説得」も取り上げ、自称ジャーナリストの鈴木エイト氏も批判している。
また、被害額とされるものも過大に報道されていると指摘した。
中山達樹弁護士は昨年11月に取材依頼を受けたが、その時は留保したそうだ。理由は、あの当時は何を言っても聞いてもらえる状況になかったから。
確かにそうだ。当時は狂気の魔女狩りが進行中で、統一教会を1ミリでも擁護しようものなら凄まじいバッシングが起きていた。
今は、教団信者や統一教会、関連団体が訴訟やシンポジウムなどのアクションを起こし、積極的・消極的の差はあれ、教団を擁護もしくは魔女狩りを批判する人たちが現れたおかげで、「やり過ぎではないか」「全国弁連の非難の仕方は異常だ」とする見方が広がってきた。
だからこそ、インタビューを読んだ人は、頭から否定する前に立ち止まって考えるべきだ。いやしくも「弁護士ドットコム・ニュース」を読むほどの人ならば。
次の冊子がより深く考える材料を提供してくれる。
【気晴らしsongs】
8月23日の拙ブログで取り上げたジャッキー・エヴァンコ(当時15歳)が、2015年にローマ教皇歓迎イベント(米フィラデルフェア)で歌った「カッチーニのアヴェ・マリア」。この曲、実際は偽作で旧ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフの作品(ウィキペディアによる)。共産主義、社会主義の名の下に徹底的に宗教が弾圧された国で、このような天上のメロディーが生まれたことに驚かされる。