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サイエントロジー系人権団体が旧統一教会への宗教迫害と宗教ヘイトを強く非難

パリ五輪の閉会式に颯爽と登場してド派手なパフォーマンスを見せたトム・クルーズ。彼は「カルト」と批判されることもある新興宗教サイエントロジーの信者として有名だが、近年は距離を置いているとの報道もあり、真相はよくわからない。


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サイエントロジーは迫害され、差別された新興宗教の常で、信教の自由擁護と人権擁護に熱心だ。

特に精神医療の闇を告発し、是正する活動が知られている。精神医療の闇は、旧統一教会信者への拉致監禁による強制改宗が、当初、信者を精神病院に入院させて改宗を強要するというやり方を取ったことからも、ある程度想像が付くだろう。

サイエントロジーは米ロサンゼルスを拠点に「市民の人権擁護の会」(Citizens Commission on Human Rights)を組織し、今では31カ国に130以上の支部を持つまでになった。

最近、同会日本支部代表世話役の米田倫康(のりやす)氏が、旧統一教会への宗教迫害と拉致監禁による強制改宗を強く非難しているウェブ記事(インタビュー)を読んだ。

印象に残ったのでここに紹介したい。広く読まれるべき記事だと思う。

時々覗いている「宗教新聞」ウェブ版に7月22日付けで載ったもの。

religion-news.net

ちなみに、米田氏は『発達障害のウソ』(扶桑社)の著者でもある。偶然にも、この本は去年だったか、自分も本屋で見つけて買った。今も書棚の一画にある。

さて、「宗教新聞」のインタビューは全編非常に読み応えがあるが、長文なので骨子と思われる箇所を引用しておこう。

米田 特定の専門家が根拠に乏しいマインドコントロール論を持ち出し、判断能力の無い存在であると決め付け、オウム真理教と同質の犯罪者集団であるかのようなイメージを世間に植えつけることで不要な恐怖や不安を煽っています。

日本国憲法や日本が批准する条約からすれば、宗教ヘイト、宗教迫害はあり得ないのですが、むしろ護憲や人権を唱える人たちによって、なぜか特定の宗教に対しては人権を度外視してもいいという風潮が、マスコミを中心に、あるいは政争の道具としてつくられています。

その結果差別や迫害が正当化されています。本人の保護という名目で深刻な人権侵害も黙認されてきました。

 一昔前までは、精神科病院への強制入院が強制改宗・棄教の手段として悪用されていました。問題視されるようになると、家族によってマンションなどに監禁して監視、管理させるようになったのです。

精神科病院への違法な移送や入院も、保護説得という名目で行われる強制改宗も、本来は刑法に反する違法行為ですが、家族の問題で本人の保護だと言うと、警察が介入しにくいのです。

 ――憲法の観点からはどうですか。

米田 日本国憲法と日本が締結している様々な条約の精神からすると、完全に反するわけです。ところが、可能になるのは、そういう空気が作られるからです。特定の得体の知れない存在に対しては何をしてもいいという空気です。

いじめと同じで、何の根拠も正当性もないのですが、特定の権力を持つ人が、誰かをいじめのターゲットに指定し、「こいつには何をしてもいい」という空気を作るわけです。すると人々は、加害者にならないと自分たちが被害を受けると思い、傍観者も加害者になってしまうのです。

いじめは駄目だと言われている一方で、マスコミや行政が、いじめに相当するような宗教迫害をすることが許されてしまう。ここがポイントです。

 私が懸念するのは、それは仕方ない、いじめられている方に責任があるみたいな考えでごまかされてしまうことです。自分にとって不都合なことを隠すために、あるいは自分に対して利益を誘導するために、憲法や法律を超えて、他人を迫害したり、誰かを標的にしたりする空気を作る行為の本当の原因は、その首謀者にこそあります。

彼らは迫害されている方にこそ問題があるので、何をしてもいいという空気を作り、それに加わらない人は非国民みたいな扱いをするのです。それは、民主主義の崩壊でもあります。

これを読んで全くその通りと膝を打つのは、自分だけではないと思う。

引用文にある「首謀者」(=マスコミや全国弁連(全国霊感商法対策弁護士連絡会)、自称被害者ら)の口車に乗って旧統一教会を叩いている人たちも、暑気払いついでに(頭を冷やして)熟読してほしい。