日本の命綱である「日米安保条約」破棄を衆院選の公約に掲げ、多様性の尊重と言いながら党綱領で「天皇制」廃止(=天皇と皇族を認めない!)を謳う日本共産党の小池書記局長の発言(13日の臨時国会)。
もうこういうウソはいい加減にしてほしい。そりゃあ、選択的夫婦別姓導入への賛成意見が多数の世論調査も中にはあるだろう。
しかし、共産党・小池書記局長が言う「どの世論調査でも」は真っ赤なウソ。それどころか、これまで別姓推進派が根拠としてきた内閣府の家族に関する調査は、推進派の言うように別姓賛成派が多数などではなく、そのようなデータ解釈自体、デタラメだったことが明らかになっている。
「夫婦同姓を前提として通称使用拡大の法制化を容認する意見」を無視したり、あるいはそれを別姓賛成の数値に参入するなど、とんでもないデータの恣意的解釈が行われてきたのだ。
マスコミ報道などは前者が多い。しかし、一部の市民団体は後者の立場を取って、圧倒的多数が別姓賛成派だなどとウソの主張をしている。
2018年2月に公表された内閣府の家族に関する調査(最新のもの)に関して、マスコミは別姓賛成42.5%、同姓堅持29.3%と報じたが、「夫婦同姓を前提として通称使用拡大の法制化を容認する意見」の24.4%をきれいに無視した。本来なら、この24.4%と29.3%を足した53.7%が同姓堅持派の数値となるはずである。
これだけでも噴飯物だが、一部団体はあろうことか、この24.4%を別姓容認派の数値に算入し、「(42.5%と24.4%の合計である)66.9%が選択的夫婦別姓の導入に賛成」としているのである。
どうしたらこんな解釈ができるのか? アンビリーバブルという言葉しか思い浮かばない。その代表格が「ニュー選択的夫婦別姓訴訟」のウェブサイトである。堂々とおかしなグラフを載せている。
さらに驚くべきことに、先月出版された『夫婦別姓に隠された不都合な真実~「選択的」でも賛成できない15の理由』(明成社)を読むと、いくつかの地方議会が、この66.9%という噓っぱちの数値を根拠に使って「選択的夫婦別姓の導入を求める意見書」を採択しているという。同書によると、千葉市、福岡市、北九州市、長野市、所沢市、東京都江戸川区などだ。ここまでくると、もはや詐欺ではないか。
議会の審議があまりにずさんでため息が出る。
すでに現行の夫婦同姓制度は「合憲」と最高裁が二度にわたって判示している。したがって同制度は女性差別とは何の関係もない。2015年は15人中11人、今年は15人中10人の最高裁判事が合憲とした。
同性婚もそうだが、多様性尊重という名目で何でもかんでも制度を変えていいというものではない。大事な家族単位の社会を保守するためには、譲れないものがある。
社会の基本単位は「家族」であって「個人」ではない。だからこそ「世界人権宣言」も「市民的及び政治的権利に関する国際規約」も、家族は社会の自然かつ基礎的な単位として保護されるべきとしている。