日刊ゲンダイ(デジタル版。以下同)が報じた旧統一教会と「関係アリ」の「国会議員112人リスト」。
このリストはいい加減でデタラメ。こんなものを根拠に旧統一教会と「ズブズブ」なんて報じるのは無責任極まる。
三流大衆紙日刊ゲンダイならやりそうなことだが、真に受ける方も少しは頭を使って考えたらどうだと言いたくなる。
ネットリテラシーが大切と多くの人が警鐘を鳴らしているのに、ころっとだまされてしまう。政府・自民党叩き、安倍叩きに使えるものなら何でもいいのだろうが、余りにもレベルが低い。
リストの一部は日刊ゲンダイのウェブで公開されている。
そこに、石破茂氏の名前も登場する。当時、自民党幹事長だった石破氏について、リストは「イベントで講演、祝電、機関紙社長から献金」と書く。
渦中の石破氏は、これについて次のように釈明した。
自民党の石破茂元幹事長は3日夜のBS―TBS番組で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と関係が深いとされる世界日報の元社長から、平成29年に献金10万円を受け取ったと明らかにした。元社長について「前から知っている方で、政治的な信条は共有する部分はあった」と述べた。
同時に「宗教に関する話は一度もなかった」と語った。政調会長や幹事長として党執行部にいた計約4年を振り返り「旧統一教会との接触は党として全くなかった」と強調した。
十分にうなずける説明だ。
「国会議員112人」リストは、世界日報を統一教会の「機関紙」としている点で致命的なウソをついている。
なんでもかんでも旧統一教会と結びつけて、政界全体が旧統一教会の影響下にあるかのように印象づけ、世論を反自民、反安倍に誘導しようとする意図が露骨だ。
保守系の人なら、月刊誌「WiLL」や「Hanada」で世界日報記者の署名原稿を何度か目にしたことがあるはず。
個人的に印象に残っているのは、「WiLL」今年2月号の「米国『性・文化大革命』報告 女性を自称する性犯罪をどうする!?」という早川俊行・世界日報編集委員の寄稿だ。当たり前だが、旧統一教会の宣伝をするような内容ではない。
さっき保存してあるバックナンバーを調べたら、「Hanada」の2019年9月号で、世界日報「しんぶん赤旗」問題取材班が書いた「全国自治体を蚕食 血税で『赤旗』購読の異常」という寄稿も見つかった。
石破氏が言うように、「政治的な信条は共有する部分」があるから「WiLL」も「Hanada」も統一教会系新聞と知った上で原稿を載せたのだろう。
石破氏が、
政調会長や幹事長として党執行部にいた計約4年を振り返り「旧統一教会との接触は党として全くなかった」と強調した。
と述べているのは重要だ。
石破氏が幹事長だったのは第2次安倍内閣においてである。