NHK中国籍スタッフが起こした不祥事(「尖閣諸島は中国領だ、南京大虐殺を忘れるな、慰安婦は性奴隷だ」などと国際放送で勝手に喋った事件)は、同業他社の不祥事は大きく取り上げないというマスコミの不文律もあり、大きな話題にはなっていない。
それをいいことに、NHKはできるだけこの問題を目立たないよう、国民に知らせないように、アリバイ的な対応で幕引きしようとしている。
この件を自分は23日付けで取り上げた。
これを書いた後で分かったが、NHKは不祥事に対する釈明をウェブサイト上で発表していた。
ウェブサイトのトップページを開くと、いちばん上に「台風情報はこちら」「感染症データと医療・健康情報はこちら」の文字があり、これは目立つ。
だが、今回の不祥事に関するお知らせは見当たらない。ほとんどの人は「イチオシ番組」や「NHK NEWS WEB」を見て、興味を引くリンクをクリックしトップページを離れるだろう。
では、不祥事のお知らせはどこにあるのか?
なんと当該ページを下へスクロールして、いちばん下の方に出ているのだ。トップページにアクセスした人の一体何割がこの「視聴者のみなさまへ」に気付くだろうか。
5割? 3割? いや1割か。
気付いたとして、日付も記載されていないお知らせを、どのくらいの人が読むだろう?
なぜいちばん上に一目で分かるように表示しないのか、なぜ日付を入れないのか、自分には全く理解できない。
いや理解はできる。要するにNHKはこの不祥事を国民に知らせたくないのだ。それならいちばん下に置き、日付も入れないのは合理的な行為である。
NHKは「視聴者のみなさまへ」として以下の3本の発表をした。しばらくしたら消えてしまうだろうから、以下にリンクしておく。
- NHKラジオ国際放送での中国籍外部スタッフによる発言の経緯と対応(PDF)
- NHKラジオ国際放送での中国籍外部スタッフによる発言への対応について(PDF)
- NHKラジオ国際放送などでの不適切発言について(PDF)
上の2本が8月22日付け、3本目が19日付けである。しかし、これはクリックして文書を見て初めて分かることだ。
そもそもNHKにとってウェブサイトの運営は本来業務ではない。本来業務はテレビ放送であり、受信料を払っている視聴者も地上波と衛星放送に対してお金を払っている。
であるならば、自らが起こした不祥事についても、テレビ番組できちんと報道するのが筋だろう。
一部全国紙もこの不祥事を報道し、自民党や国民民主党なども問題にしているのだから、テレビの報道番組で取り上げ、国民に周知する義務がある。
しかし、NHKは19日夜のニュースウォッチ9の中で小さく触れただけ。リンク先の文書を見ると最新発表は22日付けだが、その日の「ニュースウォッチ9」では一切取り上げなかった。夜7時のニュースにもなかった。
NHKは日ごろ、主なニュースは夜7時、夜9時、翌朝の「おはようニッポン」と繰り返し報じるのが普通である。
にもかかわらず、今回の不祥事のことは、中国籍スタッフの解雇にとどまらず、損害賠償請求や刑事告訴も検討するというほどの重大事なのに、19日夜9時の「ニュースウォッチ9」で小さく1回報じて終わり。
これはお金を払っている視聴者を愚弄するふざけたやり口だ。問題を矮小化し、できるだけ目立たなくして、時が流れ忘れられていくのを待っているとしか思えない。
実際、中国籍スタッフが事件を起こしたことを、大半の国民は知らない。平凡な一庶民であるわが妻が知らないのだから、ほとんどの国民も知らないはずだ。
こんな非常識な組織が、何かにつけ「私たち国民は」などと国民の代表者を気取っているのは、本当に腹が立つ。
黙っていられないので、これから意見を送ろうと思う。